報道発表

人間の安全保障基金による「エクアドル北部国境地帯における弱者保護のための総合プロジェクト」について

平成18年4月19日
  1. わが国政府および国連は、4月19日(水曜日)、国連児童基金(UNICEF)、世界食糧計画(WFP)および国連難民高等弁務官(UNHCR)が実施する「エクアドル北部国境地帯における弱者保護のための総合プロジェクト」に対し、人間の安全保障基金を通じ、191万4,220ドル(約2億1,250万円)の支援を行うことを決定した。
  2. エクアドル北部の国境地域は、コロンビアにおいて継続中の武力抗争により母国を追われた多数のコロンビア難民を受け入れており、同地域における地元エクアドル人とコロンビア難民は、暴力や犯罪の横行、社会サービスや教育の欠如、現地当局の弱い統治能力により困窮している。このプロジェクトは、難民、困窮家族、子供、女性等の弱者を脅かすこれらの深刻な問題に対処することを目的に以下の活動を行うものである。

    (1)エスメラルダス、カルチ、インバブラ、スクンビオスの4県に住む身寄りのない子供や若者を保護する活動として、これらの者が難民地位認定手続を利用できるようにするための支援等を実施

    (2)紛争により最も影響を受けた地区の子供が質の高い教育を受ける機会の改善

    (3)選択された学校における学校給食と衛生プログラムの実施

    (4)職業訓練、小額融資提供および意識向上活動を通じた地域社会への難民の統合の促進

    (5)大規模な人の強制退去がもたらす危機に調和された形で効果的に対応するための組織横断的な緊急時対応計画の策定

    (6)育児期の母親や妊婦を対象とした栄養教育の実施を通じた子供や妊婦の栄養失調の減少

  3. このプロジェクトの実施により、エクアドル北部の国境地域の脆弱な人々の生活と尊厳の向上に資することが期待される。

(参考)
人間の安全保障基金は、1999年3月にわが国の主導により国連に設置された信託基金であり、現在までに総額約315億円(約2億7,973万ドル)を拠出している。これまでも、この基金を通じ人間の生存、生活、尊厳に対する多様な脅威に対して人間の安全保障の視点から取り組む国連関係国際機関の150件以上のプロジェクトを支援してきている。

  • 国際社会協力部 政策課
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