
人間の安全保障基金による「チェチェンの児童・教師に対する統合的リハビリに係るキャパシティー・ビルディング・プロジェクト」への支援について
平成18年3月28日
- わが国政府および国連は、3月28日(火曜日)、国連教育科学文化機関(UNESCO)および世界保健機関(WHO)がロシアのチェチェン共和国において実施する「チェチェンの児童・教師に対する統合的リハビリに係るキャパシティー・ビルディング・プロジェクト」に対し、人間の安全保障基金を通じ、97万7,874ドル(約1億463万円)の支援を行うことを決定した。
- 1999年の紛争発生以来、チェチェン共和国においては多くの子供が学校に通えず、多数の教員や保健士が離職を余儀なくされた。このプロジェクトは、学齢期の児童や教員の公教育への復帰を支援するために、その心身の回復を支援するものである。主な活動は以下のとおりである。
(1)心理面でのリハビリテーション・プログラムを実施するために、心理教育・医療社会(PPMS)センターの能力を強化する。
(2)10のモデル校において、教員に対し心理教育学および社会教育学に基づく訓練手法を導入する。
(3)地雷の犠牲となったり、その他の理由で障害を持つに至った学齢期の子供を対象にカウンセリングを行うために、現地の専門家の能力を増強する。
(4)PPMSセンターおよび10のモデル校のうち3校に対し、関連文献や訓練教材を供与する。
- このプロジェクトの実施により、チェチェン共和国における学齢期の子供、その親および教員の心身の回復が図られることが期待される。
(参考)
人間の安全保障基金は、1999年3月にわが国の主導により国連に設置された信託基金であり、現在までに総額約315億円(約2億8,000万ドル)を拠出している。これまでも、この基金を通じ人間の生存、生活、尊厳に対する多様な脅威に対して人間の安全保障の視点から取り組む国連関係国際機関の140件以上のプロジェクトを支援してきている。