
人間の安全保障基金による「エチオピアにおけるツェツェ蠅及びトリパノソーマ症の除去地帯の確立による地域社会の農業・牧畜開発支援」プロジェクトについて
平成18年2月24日
- 2月24日(金曜日)、わが国政府および国連は、国際原子力機関(IAEA)が国連食糧農業機関(FAO)と共同で実施する「エチオピア南大地溝におけるツェツェ蠅及びトリパノソーマ症の除去地帯の確立による地域社会の農業・牧畜開発支援」に対し、人間の安全保障基金を通じ、176万ドル(約1億9,536万円)の支援を行うことを決定した。
- このプロジェクトは、エチオピア南大地溝において不胎化処置を施したツェツェ蠅を放出することにより、同地域の家畜および農業にとって大きな脅威となっているツェツェ蠅およびトリパノソーマ症(睡眠病)の除去を図るとともに、新たに開墾が可能となった農業用地の設計及び牧畜・農業の増加に向けた地域社会支援を行うものである。主な活動は以下のとおりである。
(1)基礎的データの評価
(2)ツェツェ蠅の大量飼育および雄の生殖能力の除去
(3)地域社会の参加を得たコントロール手法を含むツェツェ蠅対策の実施
(4)入手可能な天然資源を適切に用いるための総合的な開発計画に基づく農業・畜産及び地域開発のための採算がとれ且つ持続可能な慣行の導入
- このプロジェクトの実施により、当該地域における農業の大きな障害が除去されるとともに、エチオピア南大地溝における家畜、農業および全体的な開発に寄与することが期待される。
(参考)
人間の安全保障基金は、1999年3月にわが国の主導により国連に設置された信託基金であり、現在までに総額約290億円(約2.6億ドル)を拠出している。これまでも、この基金を通じ人間の生存、生活、尊厳に対する多様な脅威に対して人間の安全保障の視点から取り組む国連関係国際機関の140件以上のプロジェクトを支援してきている。