
人間の安全保障基金によるスリランカにおける紛争により被害を受けた貧困農民のための支援について
平成17年10月31日
- わが国政府および国連は、10月31日(月曜日)、国連食糧農業機関(FAO)がスリランカにおいて実施する「スリランカ北・東部地域の紛争により被害を受けた貧困農民の生活基盤復興プロジェクト」に対し、人間の安全保障基金を通じ、130万9,793ドル(約1億4,146万円)の支援を行うことを決定した。
- このプロジェクトは、スリランカのアンパラ、バティカロア、キリノッチ、トリンコマリーのコミュニティにおける元国内避難民(IDP)およびその他の脆弱な状態にある人々を対象に農業活動の復旧を支援するものである。主な活動は以下のとおり。
(1)農民組織の強化策および女性の能力強化プロジェクトの実施
(2)農業用水施設の再建を中心とする生産インフラの改善およびその管理
(3)農業技術と知識の移転を通じた穀物増産支援
(4)小規模畜産、内陸地における漁業、農林および農産物加工業の所得増大活動の推進
- このプロジェクトの実施により、スリランカにおけるIDPやその他の脆弱な状態にある人々の生活が改善されるとともに、その改善が同国の和平プロセスに寄与することが期待される。
(参考)
人間の安全保障基金は、1999年3月にわが国の主導により国連に設置された信託基金であり、現在までに総額約290億円(約2.6億ドル)を拠出している。これまでも、この基金を通じ人間の生存、生活、尊厳に対する多様な脅威に対して人間の安全保障の視点から取り組む国連関係国際機関の130件以上のプロジェクトを支援してきている。