【横井外務報道官】冒頭、スーダン及び南スーダン両国による合意文書の署名についてと題する外務報道官談話を発表します。
我が国は、9月27日(木曜日)、スーダン及び南スーダン両国が治安、石油及び国籍等に関する一連の合意文書に署名したことを歓迎します。
また、本合意を実現させた両国の首脳、交渉当事者及びアフリカ連合ハイレベル履行パネル(AUHIP)関係者等の努力に敬意を表します。我が国としては、両国が本合意を着実に履行するとともに、アビエ問題等の未解決の課題について早急に合意に達することを期待します。
我が国としては、スーダン・南スーダン両国の平和的共存に向けた努力を引き続き支援していく考えです。
【TBS 西川記者】国連の場で、中国の楊潔チ外相がなかなか厳しい言い方で、日本のことを尖閣問題に関する日本の姿勢・態度について非難をしました。このことに対する受け止めをお願いします。
【横井外務報道官】もう何度も申し上げておりますけれども、尖閣諸島は歴史上も国際法上も我が国の固有の領土であり、現に、我が国は有効にこれを支配しております。尖閣諸島の領有権を巡って、そもそも解決すべき問題は存在しないという立場であります。
日本政府による今般の尖閣諸島の保有取得が「戦後国際秩序と国際連合憲章の趣旨・原則に対する深刻な挑戦」などとする中国外交部長の一般討論演説は、全く受け入れることはできず、兒玉国連次席大使より直ちに答弁権を行使して反論を行いました。我が国は、第二次世界大戦後、国際社会の平和と繁栄を支えてきており、2008年に日中両国首脳が署名をした共同声明においても、中国自身が、戦後の日本が平和的手段により、世界の平和と安定に貢献してきていることを積極的に評価しております。二国間の見解の相違を安易に過去の戦争に起因するものとする姿勢は、物事の本質から目をそらすものであり、説得力を持つものではなく非生産的であると考えます。いずれにしろ、我が国として東アジアの平和と安定に責任を持つ国として、中国との間で戦略的互恵関係を深化させていくという立場に変わりはありません。
【TBS 西川記者】先日、日中外相会談がありました。今後、日本も中国もお互いの主張があって、なかなか折り合わないというのが現状だと思うのですが、今後、外相会談が終わった現状を次の日中の対話の場というのは、どういったものが想定されるのでしょうか。
【横井外務報道官】基本的には、総理、外務大臣の発言にもある通り、様々なレベルで、様々なパイプを使って二国間におけるコミュニケーションを深めていくということであります。その具体的な例等については、今、こういうものが予定されているというものはありませんけれども、先般、河相事務次官が訪中したように、必要に応じて両国間のコミュニケーションは取られていくというように考えております。
【横井外務報道官】10月6日(土曜日)及び7日(日曜日)に日比谷公園にて「グローバルフェスタJAPAN2012」が開催されます。同イベントは、外務省、国際協力機構(JICA)、国際協力NGOセンター(JANIC)の共催で行われ、本年で22回目の開催となります。このイベントは日本最大の国際協力イベントであり、昨年度の来場者数は11万2千人に上りました。
このイベントでは、来年6月の第5回アフリカ開発会議(TICADV)に向け、アフリカ・シンポジウム「成長する元気なアフリカを語ろう!」やアフリカ写真展「成長するアフリカと日本」も行われる予定です。
このイベントの直後に開催されるIMF・世銀東京総会とも連携し、世銀関連のステージも行われる予定です。
当省の国際協力広報TV番組「地球VOCE(ヴォーチェ)」のナビゲーターである藤原紀香氏やルー大柴氏によるトークショー等も行われる予定です。ぜひご来場いただければ幸いです。
【共同通信 斎藤記者】昨日、共産党の志位和夫委員長が官邸に申し入れに行かれまして、そのとき領土問題の存在を認めた上で、領有権の正当性を主張して外交交渉で解決を図るべきだというように申し入れたとのことですが、これに対して、報道によれば、領土問題は存在しないが、尖閣に関する日中間の問題はあるというように官房長官は述べたと報じられています。この点を確認したいのですが、もし仮に官房長官が領土問題は存在しないが、尖閣に関する日中の問題はあると実際述べたとすれば、この問題というのは何を指しているのかという点について、解説願いたいと思います。
【横井外務報道官】これはもう、斎藤さんの方がご存じかもしれませんけれども、我が国の尖閣諸島に関する立場については、尖閣諸島は歴史的にも国際法上も我が国の領土であり、領有権を巡って解決すべき問題は存在しないというのが我が国の立場です。この最後の二行目が非常に大事であって、領有権を巡って解決すべきというのが問題の中身でありまして、志位委員長、ないしは官房長官が昨日おっしゃったとすれば、その領有権の問題というのではなくて、少なくとも、今、尖閣諸島の近辺には中国の公船がおりましたり、あるいは尖閣諸島を巡って中国国内で大きなデモがあったり、少なくとも尖閣諸島に関わる、これは軋轢と申しますか、事態と申しますか、そういうものが存在するのは、これは事実だと思います。そういうことを官房長官はおっしゃったのではないかと思います。それが領有権を巡る問題、問題というその言葉は似ていますけれども、中身は大きく違うというように思います。
【共同通信 斎藤記者】今の点の確認になりますけれども、今、尖閣を巡っていろいろ軋轢が起きているのは事実だと話がありましたし、また、そうだと思うのですが、領土問題でしょうか。
【横井外務報道官】領有権を巡って解決すべき問題は存在しないというのが日本の立場ですけれども、少なくとも尖閣諸島を巡る事態と言いますか、その事態について様々なことが起きているのは事実ですし、その安定的な沈静化を巡って両国の外交当局、あるいはほかのチャンネル等も含めてコミュニケーションは続いているということだと思います。
【フリーランス 安積氏】訪中されていたパネッタ国防長官が中国で、2014年のリムパックに中国を招へいしたという報道がありました。今年は招へいがなく、ロシアだけ招へいしてということだったのですが、こういった米国の国防省の態度についてはどうお感じになっていますでしょうか。
【横井外務報道官】第三国間の軍事的な、あるいは軍事交流を巡る政策につきコメントするのは不適切だと思います。
【読売新聞 加藤記者】中国政府が24日に日本へ政府高官を派遣するという報道がありましたけれども、この事実関係と、事実であるならば、その受け止めをお願いします。
【横井外務報道官】少なくとも本件が最終的に決まったとは承知していません。具体的なレベルも含めて、調整中ということだと思います。
【毎日新聞 横田記者】調整されているのは中国政府から来られるのか、中連部から来られるのか。
【横井外務報道官】その点も含め、まだ調整中の段階ですので、差し控えたいと思います。
【フリーランス 安積氏】尖閣の問題に関連してですけれども、今、自民党の方で総裁選をしておりまして、その中で候補はこの件について政府の対応に批判がありまして、例えば米国のリビアの大使が砲火で殺された件でも同盟国に対しては直ぐに大臣とかそういう人が弔問に行ったのかとか、行ってないのではないかというような、迅速性に欠けるのではないかというような批判がありましたけれども、これについてはどのようにお感じになっていますでしょうか。
【横井外務報道官】野党の総裁選の中での議論について、私の立場からコメントするのは差し控えさせていただきます。
【外務報道官】既に午前中に報道発表をすませていますけれども、原課の要請により非常に重要ですので、パネッタ米国防長官の来日につき、私のほうから改めて冒頭発言をさせていただきます。
9月16日から17日まで、パネッタ米国防長官が来日します。パネッタ長官は、17日に外務省にて玄葉大臣と会談されるほか、また、同じ日に防衛省にて森本防衛大臣とも会談が行われます。玄葉大臣とパネッタ国防長官の会談は今回で3回目となります。
日米関係を深化させていく上で、日米両国の閣僚同士が安全保障・防衛協力をはじめとする幅広い分野で緊密に意思疎通を図ることは極めて重要であります。今回の同長官の来日に際した会談においても、日米同盟の深化の観点から、双方の関心事項について意見交換をが行われます。
【共同通信 斎藤記者】先日、玄葉大臣が国有化した直後の尖閣諸島の現状について、今は平穏かつ安定的に維持・管理されていると基本的に思っていると、このようにご発言されました。本日、ご案内のように海洋監視船が6隻、領海侵犯するという事案が発生しているわけですが、政府・外務省としては、引き続き現在の尖閣諸島は平穏かつ安定的に維持・管理されているというように認識しているのかどうか、この点の見解をお伺いします。
【外務報道官】先日の斎藤さんのご質問に対して、玄葉外務大臣からは、現状においては基本的に尖閣諸島が平穏かつ安定的に維持・管理されているという認識を申し上げましたけれども、大臣は、あくまで日本の実効支配という観点から申し上げたものと私は思います。その観点から言いますと、たしかに本日、尖閣の領海に対する中国公船の侵犯事例がございましたけれども、あくまでも日本の実効支配という観点につきましては、玄葉大臣が発言されたとおり、現在も平穏かつ安定的に維持・管理されていると認識しております。
【フリーランス 安積氏】先日、杉山さんが中国に行かれて、この件について説明されたと思うのですが、その直後の中国公船の日本の領海侵犯ということになるわけですけれども、これについて、説明が効果がなかったというようにお考えですか。それとも、説明でよけいに刺激したか。それとも、何かしらやっぱり日本国政府の送信が失敗したか、そういうようなことをお考えでしょうか。
【外務報道官】双方、つまり杉山局長の中国への出張の事実と、その後に起こった中国公船による侵犯事例において、その間の因果関係についてはつまびらかにしません。
【日経新聞 桃井記者】中国でデモが激しくなったり、暴力事件が起きたりしていますけれども、邦人保護の観点から、在留邦人及び日本から中国へ向かう旅行客やビジネス客に対して、どういうことをされていかれるかということを教えてください。
【外務報道官】この数日間、中国の各地において反日のデモが起こっているのは事実です。これから来週の9.18に向け情勢の変化というものが予想される中、在留邦人への注意喚起については、日本の大使館ならびに総領事館を通じて様々な点で注意喚起を行っています。例えば、外出する際には周囲の状況に格別の注意を払うこと。それから、大勢の人が集まる場所に特に注意すること。また、公衆の場での言動に注意すること。日本人同士で集団で騒ぐといった目立った行為については控えること。また、日本大使館、総領事館あるいは外務省の海外安全ホームページによって、現在の状況についてチェックをする等、総領事館、大使館を通じて在留邦人及び旅行者に対して、以上のような呼びかけを行っています。
【毎日新聞 横田記者】本日午前中に次官から大使に抗議をされたと思いますけれども、その後の船の動き、現時点で把握されていることと、その後、中国側とやり取りをしているかどうかという現状をお願いします。
【外務報道官】本日の午前中、外務省に河相外務次官が程永華中国大使を召致し、申し入れを行ったのは今ほどのご指摘のとおりでございます。私が本日午後にチェックした段階では、中国公船は少なくとも領海並びに接続海域から退去したというように承知しておりますが、現在の詳しい具体的な状況については、ぜひ海上保安庁の方にご照会いただければと思います。その後、少なくとも本省において中国側との接触を行っているということは、私は承知しておりません。
【NHK 大谷記者】海監の関係で、6隻という船が来て、午前中いっぱい領海を侵犯して午後に出て行ったと。この一連の動きをついて規模感とか形が想定内だったのか、想定からはずれていたのか、その辺も含めてお聞かせください。
【外務報道官】事実関係だけ申し上げますと、過去においてこれまでも複数の船が日本の領海を侵犯するという事例はあったと承知しておりますが、今回のような6隻という、少なくとも数については、これまで例がなかったと考えております。それが想定内であったか想定外であったかはコメントを差し控えます。
【フリーランス 安積氏】これまでに、例えば尖閣に上陸を目指してきたのが漁船だったりしているわけですけれども、今回は公船ということですけれども、これの意味について、どういうように受け止めをされているのでしょうか。
【外務報道官】安積さんもよくご存じだと思いますけれども、今回、たしかに公船ですが、公船が来たのは今回が初めてではありません。そういう意味では、これまでもあったということを指摘したいと思います。
【共同通信 斎藤記者】昨日の山口副大臣の会見でも若干議論になった話ですが、杉山局長の中国出張の目的は、報道等によりますと日本の真意を説明するためということで広く報じられているわけですが、翻ってみれば日本固有の領土、日本の土地の所有権の移転について他国に説明する必要というのは当然ないわけで、とすると、何のために説明に行ったのかと。この点について改めて説明いただければと思います。
【外務報道官】少なくとも今回の尖閣に絡めてという点にとどまらず、杉山局長は日中関係全般について責任を有している外務省の責任者です。その杉山局長が中国に行って、現在の日中関係を巡るさまざまな問題について意見交換をしたというように承知しています。
【共同通信 斎藤記者】そうすると、尖閣の国有化手続きの狙いや意図について、ご自身の方から説明するために行ったわけではないという理解でよろしいでしょうか。
【外務報道官】そうは申し上げていません。日中関係にかかわるさまざまな面について意見交換をされたということでありますし、それ以上の外交上の具体的なやり取りについては、今回は差し控えさせていただきたいと思います。
【フリーランス 安積氏】杉山局長が中国の方と面談された後に記者団に説明しようとして、向こうの当局の人間に暴行というか、公権力の行使を受けられておりますが、頭を押さえつけて車の中に押し込められたという件について、異常なことだと思うのですが、この件についてどのように受け止めになっていますでしょうか。
【外務報道官】その件については、現時点では承知しておりません。
【朝日新聞 松村記者】昨日倒れられた西宮大使ですけれども、その後のご病状の様子、今後の赴任スケジュールへの影響等何か変わったことがありましたら、教えてください。
【外務報道官】西宮大使につきましては、昨日の発表のとおり、現在治療を受けて入院中ということでありまして、これ以上のことについては、コメントを差し控えさせていただきたいと思います。心より、一日も早い回復を祈っております。