記者会見

報道官会見記録(要旨)(平成24年6月)


INDEX







報道官会見記録(平成24年6月29日(金曜日)16時37分~ 於:本省会見室)

冒頭発言

(1)カルザイ・アフガニスタン大統領の来日について

【横井外務報道官】(7月)7日から10日まで、ハーミド・カルザイ・アフガニスタン・イスラム共和国大統領が、実務訪問賓客として来日します。
 カルザイ大統領は、滞在中、我が国とアフガニスタンの共催で行われるアフガニスタンに関する東京会合に出席するほか、野田佳彦内閣総理大臣との会談等を行う予定です。
 同大統領の来日は、2002年6月の大統領就任以降4回目であり、同大統領との率直な意見交換を通じて、日アフガニスタン間の友好関係が一層増進することを期待します。

(2)フランス「JAPAN EXPO 2012」への参加について

 【横井外務報道官】外務省及び国際交流基金は、観光庁、日本政府観光局(JNTO)及び科学技術振興機構(JST)の協力の下、7月5日から8日までフランスのパリ近郊で開催されるJAPAN EXPO 2012に連携して参加します。日本の各省庁、各機関がそれぞれの強みを活かしつつ、連携して日本の魅力を発信するものです。
 JAPAN EXPOは、 2000年より毎年恒例で行われている世界最大規模の日本文化紹介イベントで、 昨年は欧州内外から19万人を超える日本ファンの青年たちが参加しました。会場ではマンガ、ファッション等の現代文化のみならず、伝統文化、 ハイテク、 観光等を含めた様々な日本の側面を紹介するブースが設置されます。
 在仏日本大使館は、関係諸機関と連携しつつ、アザラシ型癒しロボット「パロ」の開発者である柴田崇徳博士による講演会・デモストレーション、及び東日本大震災「復興写真展」のパネル展示を行う予定です。

(3)外交史料館特別展示「サンフランシスコ講和への道」の開催について

 【横井外務報道官】外務省では、7月4日から10月31日までの間、特別展示「サンフランシスコ講和への道」を、外交史料館別館展示室において開催します。
 この特別展示は、本年がサンフランシスコ平和条約発効60周年であることを記念して、終戦後の外務省における講和準備研究からサンフランシスコ講和に至るまでの日本の外交活動を外交史料から振り返るものです。
 展示史料は、吉田茂総理とダレス特使との会談記録や、吉田総理の指示のもとに外務当局が作成して米側へ提出した再軍備の発足に関する文書など、サンフランシスコ講和に至る経緯を示す歴史的な外交史料全19点です。また、日米安全保障条約の署名用に米国側が準備した「万年筆」、実際には使用されませんでしたが、なども併せて展示します。
 この展示を通じて、終戦後の日本外交が講和達成に向けて全力で取り組んだ道のりを一層多くの方に知っていただければ幸いです。

目次へ戻る

日韓秘密情報保護協定の締結

【朝日新聞 東岡記者】本日午前中に閣議決定された日韓秘密情報保護協定の署名についてですけれども、韓国側の都合により署名が延期になったということです。これについて、韓国側から、いつ、どのような形で、どういう内容の通告があったのかという点と、それから、この延期について外務省としてどう考えるのかについてお聞かせください。

【横井外務報道官】先ほどの官房長官の記者会見でもご質問のあった点ですけれども、本日午後の署名に向けての最終的調整の段階にあった日韓秘密情報保護協定につきましては、本日29日15時頃、在京韓国公使から、外務省アジア大洋州局長あてに連絡がございました。連絡の中身につきましては、韓国の国内事情により延期してほしいという内容でございました。
 外務省といたしましては、その際に、外務省アジア大洋州局長からは、詳細の詳しいところについては差し控えたいと思いますけれども、「本日の署名は行うべきであり、本件署名が延期になったことについては非常に残念である」というコメントを述べております。

【フリーランス 安積氏】6月28日、韓国の国防部が日本とのACSAの締結を見送る方針を発表いたしました。これは、やはり同じような流れだと考えていらっしゃるでしょうか。

【横井外務報道官】これも、先方の考え、それから事情について忖度するのは差し控えたいと思います。

【共同通信 斎藤記者】韓国側から、今回延期ということですが、それでは、いつ署名ができるのか、あるいはいつまでできないといったような話は来ているのかどうか。また、もし先方の発言を紹介できないというのであれば、日本側として、いつまでに延期をしたいと考えているのか、この点について説明願います。

 【横井外務報道官】斎藤さんのご質問の点は、いつ署名ができるのかというご関心だと思いますけれども、この時点で余断をもってお答えするということは、なかなか適当ではないと思います。しかし、日本側としましては、本件協定の署名は非常に重要だと考えておりますので、韓国側と調整をした上で、可能な限り早急に署名できるよう、韓国側と協議をしていきたいというように考えております。

【共同通信 斎藤記者】今、報道官がおっしゃられた、可能な限り早くという点については、日本から韓国側にその意志を伝えているのでしょうか。

【横井外務報道官】その点について外交上のやり取りですので、この場で明らかにするのは差し控えたいと思います。しかし、我々の意図するところは、今ほど私が申し上げた通りです。

【朝日新聞 東岡記者】先ほどの報道官のご説明によりますと、午後3時頃に在京韓国大使館の方から連絡があったと。これは具体的に韓国大使館のどなたから杉山局長宛に連絡があったのでしょうか。

【横井外務報道官】その具体的な名称について本日ここで明らかにするのは差し控えたいと思います。

【NHK 吉岡記者】先ほどの韓国との関係についてですけれども、向こう側の通報の内容は、国内事情により延期してほしいということ以上に、具体的にあるのでしょうか。向こうの現地では国会での説明をするべきだというようなことを与党の議員が政府に対して言っているということが伝わってきているのですけど、日本側の公式ルートとしてはどういう説明だったのでしょうか。

【横井外務報道官】更に申し上げますと、韓国側からは韓国国会との関係で29日に署名することを延期したいと言ってきました。

目次へ戻る

オスプレイの沖縄配備

【琉球新報 宮城記者】オスプレイに関してですが、先ほど国内配備に関する接受国通報がありました。8月を目途に事故調査結果が出るまで国内の飛行を見合わせるということですけれども、外務省としての受け止めをお願いします。

【横井外務報道官】これは政府全体で全く同じでありますけれども、我々にとりまして、こういう主要な海外兵力構成の変更については、現地や現場でのご協力、それからご理解を得ることが最も重要なことであると思います。そういう意味で、今回オスプレイについては、最近海外において事故が続いたということで懸念を持たれていたことに対して、どうすれば現場でのご理解が得られるかということについて米側とやり取りをした結果、本日のような通報があったというようにとらえています。

【琉球新報 宮城記者】先ほどの発表で、10月の本格的な配備についても計画自体には変更はないということですけれども、沖縄県は配備自体に反対している状況で、幾分先延ばしにするということで県民の理解を得ることができるとお考えでしょうか。

【横井外務報道官】10月の配備云々というよりは、今まさに我々が立っている状況というのは、接受国通報があって基本的には機体自身は岩国に搬入はされるのだけれども、しかし、更に追加情報があって、その飛行安全についての確認がとれるまでの間、飛行オペレーションを行わないというのが今の現状であると思います。そういう意味では、安全性が確認されるというのが、まずもって今一番重要なことであるかと思います。

目次へ戻る

慰安婦問題

 【フリーランス 安積氏】6月27日、ソウル市が韓国挺身隊問題対策協議会に第9回ソウル特別市女性賞大賞を授与するとの発表がありました。この理由としては、ソウルにある日本大使館の前に慰安婦の像を設立させたきっかけとなりました水曜集会が千回以上を超えたこと、それから戦争と女性の人権博物館を開館したことを受賞理由としているわけですけれども、こうした受賞は日本政府の立場と相容れないと思いますが、これについて何かソウル市の方に申し入れとか、そういうことをされましたでしょうか。

【横井外務報道官】これはものの考え方、どう考えるかということだと思いますが、個人の活動について韓国において受賞されたということ、縮めて言えば、そういうことだと思います。個人の受賞のいちいちについて、政府がけしからんというコメントの声を上げるというのが適当かどうか、そういうことについても慎重に考えるべきだと思います。

【フリーランス 安積氏】これは個人の受賞ですが、ソウル市という地方都市ですが、首都ということで重視すべきだと思いますし、また、ご存じのとおり米国でも慰安婦の碑の建設がどんどん進んでいます。中には、慰安婦の名前を通りにつけるというような動きもあります。この一環の動きの流れだと思うのですけれども、これについてはどういうようにお考えでしょうか。

【横井外務報道官】今、安積さんがおっしゃったように首都ではありますけれども、基本的には国ではなく、国の下のひとつの都市における活動ということで、それに対して国がいちいちアクションをとるということについて、その適否を含め検討されるべき、あるいは、そういうように考えていくのがいいのではないかと私は思います。

目次へ戻る


報道官会見記録(平成24年6月22日(金曜日)16時30分~ 於:本省会見室)

冒頭発言

(1)アブデッサレーム・チュニジア外務大臣の来日について

【横井外務報道官】(6月)24日(日曜日)から27日(水曜日)までの日程で、チュニジア共和国のアブデッサレーム外務大臣が外務省賓客として来日します。
 26日、玄葉大臣は、アブデッサレーム大臣と外相会談を行い、その後、玄葉大臣の夕食会を行う予定です。玄葉大臣とアブデッサレーム大臣との会談においては、チュニジアの民主化・経済社会改革への取り組みとそれに対する我が国の協力、及び地域・国際情勢等について協議が行われる予定です。アブデッサレーム大臣は、来日中、我が国国会、政府及び経済界関係者等と意見交換を行う予定です。アブデッサレーム大臣の来日が有意義なものとなり、日・チュニジア間の更なる関係強化につながることを期待します。

(2)デル・ロサリオ・フィリピン外務大臣の来日について

【横井外務報道官】6月27日(水曜日)から29日(金曜日)までの日程で、フィリピンのデル・ロサリオ外相が外務省賓客として来日します。同外相の二国間の公式訪問は、2006年4月のロムロ前外相訪日以来、約6年ぶりとなります。
 デル・ロサリオ外相は、今回の滞在中、28日に玄葉外務大臣との間で外相会談を行うほか、岡田副総理への表敬、日本・フィリピン友好議員連盟との懇談、田中JICA理事長との意見交換などを行う予定です。
 玄葉外務大臣との外相会談は、昨年11月のホノルルAPEC以来2回目となります。今回の会談では、二国間関係の更なる強化に向けた取り組みから、地域・国際社会の課題解決に向けた協力・連携に至るまで、幅広い議論が行われる予定です。
 今般の来日を通じ、昨年9月のアキノ大統領訪日時に位置付けられた両国の「戦略的パートナーシップ」が一層強化されることを期待しています。

目次へ戻る

デル・ロサリオ・フィリピン外務大臣の来日

【朝日新聞 東岡記者】先ほどご紹介のあった、フィリピンの外務大臣の件ですが、スカボロー礁で中国とフィリピンが対立をしていますけれども、来るARFなども念頭に、こういった件についても話し合う予定でしょうか。

【横井外務報道官】外相会談では、今ほど申し上げたとおり、地域・国際社会の様々な課題について話し合われますけれども、例えば、南シナ海を巡る問題も含め、地域・国際社会の諸課題について広く意見交換が行われるということです。

目次へ戻る

慰安婦問題

【フリーランス 安積氏】先日、米国ニューヨーク州のナッソー郡に建てられました慰安婦の碑についてお伺いいたします。これは、アイゼンハワー公園といいまして、戦没軍人の慰霊碑などが建てられている、米国の戦争にとって意味のあるところに、米国には全然関係ない韓国の慰安婦の碑が建てられたということは、日本に対する嫌がらせのような感じがしますし、これは非常に短期で、2週間半で造られたということも異例のことですが、これについて、自民党の方から外相声明を出すべきではないかというような意見もございますが、これについてはどのように対処されるのでしょうか。

【横井外務報道官】私どもが16日に承知したところでは、ニューヨーク州のナッソー郡において、韓国系の米国人団体、それから、ナッソー郡並びに韓国光州市とが共同で慰安婦問題に関連する碑を設置する、20日にこの除幕式が行われるという、報道について承知しています。今ほど申し上げたとおり、基本的には先方の、一体どういうような意向で、どういうような目的を持ってなされたかという詳細について、現時点では承知しておりませんし、またそれを忖度する立場にもございません。したがって、それに対する対応についても今後の事態の推移を注意深く見守りながら、的確に対処していきたいという方針です。

【フリーランス 安積氏】この間の自民党の勉強会というか部会の方では、この間5月に自民党議員の有志がパリセイズ・パーク市の方に行かれて、それから藤崎大使の方も連絡を取り合われたようですが、藤崎大使は、これまでは大使館は国と国の関係について主にやっていたけれども、このような問題が生じている限りは地方の方も注視していくべきであるというようなご発言をされたと聞いています。ですから、かなり積極的な態度というか、積極的に取り組む姿勢が見えているのですけれども、そういうことではないのでしょうか。先ほど報道官が忖度する立場にないというようにおっしゃいましたが。

【横井外務報道官】藤崎大使がおっしゃったというのは、何に出ていたかということを教えていただけますか。少なくとも今この段階で、このナッソーの具体的な案件について日本政府として具体的に何かをするというような、またそういうタイミングでもないと思います。やはり、私自身は詳細を存じ上げませんけれども、今おっしゃったように非常に短期間の間に物事が進んだということがもし事実であるならば、その背景、実際に関連する団体の意図、そしてそれが日本の立場に及ぼす影響等々を、やはり慎重に考えた上で、その対応についても考えていくべきというように私は思います。

【フリーランス 安積氏】すでにパリセイズ・パーク市の方で碑が建てられたときに、韓国の、それは今回のナッソー郡の団体とはまた違う団体だそうですけれども、その団体の代表者がこれから20ないしは22、全米で慰安婦の碑を建てていくというように宣言したそうです。ですから、これからも建てられる可能性が非常にあるわけなのですけれども、そういうように慎重にされるのはよいのですが、そういうように予告されているような状態で、もっと積極的に取組をされるべきではないかというように思うのですが、いかがでしょうか。

【横井外務報道官】今安積さんがおっしゃったように、パリセイズ・パークの案件とこのナッソー郡との案件、実際にはどういうような関係があるかというのは、実はこの段階では明らかではないということは言えるのだと思います。いずれにせよ、こういった問題等については事実関係を明らかにした上で、慎重にまず判断をし、その上で対応をとっていくということでよいのではないかと私(外務報道官)は思います。あるいはそうすべきだと思います。

目次へ戻る

北朝鮮のミサイル発射車輌

【朝日新聞 東岡記者】北朝鮮の関係でお尋ねします。中国が累次の安保理決議に違反して北朝鮮に対して武器や関連物資を北朝鮮に輸出しているということが明らかになっているわけですけれども、この件について日本政府として、例えば米国等の安保理常任理事国を通じて、安保理の招集を要請し、その安保理の場で中国に説明を求める、こういった新たな行動をとる用意はありますでしょうか。

【横井外務報道官】今ほどおっしゃった案件というのは、国連の安保理北朝鮮制裁委員会の専門家パネルが、安保理決議に基づく北朝鮮の措置の実施に関する最終報告書を確か5月12日に安保理に提出したということが発端であるかと思います。現在、この報告書については、安保理の理事国をメンバーとする、制裁委員会のメンバーと全く同等でありますけれども、このメンバー国の間でこの報告書について議論されており、ただ報告書自身は現時点ではまだ未公開というように承知しております。したがって、その内容等について申し上げる、あるいは、それに対してコメントをする立場にないというのが我々の今の立場です。しかし、今おっしゃった中国を含む国際社会が、関連する国連安保理決議を着実かつ全面的に実施するということは極めて重要であって、我が国としては対北朝鮮措置の実効性を向上させていくために、引き続き関係国と緊密に連携・協力していくということが現在の我々の立場であります。

【朝日新聞 東岡記者】今、報道官がおっしゃった報告書の中で、中国も含めて加盟国が安保理決議に違反した行動が仮に明らかになった場合、日本政府として中国等に対して改善を求めていくといった行動もとるのでしょうか。

【横井外務報道官】基本的に安保理決議違反の事実というものが明らかになったときに、一般論ではありますけれども、今ほど申し上げた制裁委員会で適切な対応が図られるというのが、まずとりあえずとられるべき最初の筋であります。したがって、先ほど申し上げたとおり、我々は仮にそういった事実が明らかになった場合、まず国連の場での動き等々を注視しつつ、我が国として今ほど申し上げたような立場から、我々としても北朝鮮措置の実効性を高めていくというのが我々にとって非常に重要なことですので、その観点に従って必要な措置をとっていくということです。

目次へ戻る

慰安婦問題

【共同通信 斎藤記者】私の理解では、これまで野田総理が慰安婦の賠償請求権の問題については、我が方としては既に決着済みであるけれども、人道的見地から李明博大統領ともに知恵を絞りたいと言ったと記憶しているのですが、これについて、具体的にどういう知恵を絞っていくのか、この点について外務省の方で何か考えがあるのか、また私が申し上げた点で若干認識齟齬があれば、その点も含めて解説いただきたいと思います。

【横井外務報道官】昨年行われた日本と韓国との間の首脳会談の際に、齋藤さんがおっしゃったようなラインでのやり取りがあったと私も承知しています。慰安婦にかかる請求権の問題については、1965年の日韓請求権・経済協力協定によって、完全かつ最終的に決着済みという日本政府の立場に変更はありません。しかし、韓国大統領からのお考えもあって、法的な問題以外のところについて知恵を絞れないのかというやり取りがあったと聞いております。ただ、この段階で日本国政府として、こういうことであると発表する事項はありません。

目次へ戻る


報道官会見記録(平成24年6月15日(金曜日)16時29分~ 於:本省会見室)

冒頭及び質疑応答なし

-

目次へ戻る


報道官会見記録(平成24年6月8日(金曜日)16時30分~ 於:本省会見室)

冒頭発言-NGO・外務省定期協議会平成24年度全体会議の開催について

【横井外務報道官】NGO・外務省定期協議会平成24年度全体会議を6月12日(火曜日)午後2時より、外務省6Fの国際会議場において開催します。会議には加藤政務官が出席し、冒頭あいさつを行う予定です。
 この会議は、NGOと外務省の連携強化を図るために行うNGOとの対話の場であり、本年で17年目を迎えています。今回の会議では、ODA政策についてNGO側との間で意見交換を行うとともに、G8食料安保・G8説明責任報告書等について外務省関係者が説明を行う予定です。

目次へ戻る

日中関係(丹羽在中国大使の発言)

【毎日新聞 横田記者】中国大使の丹羽さんの尖閣諸島の発言についてですけれども、本日、自民党の外交部会で辞任を要求するということで一致をしました。午前中の外務大臣のぶら下がりでは、外務大臣自ら注意をされたということを明らかにされておりましたけれども、外務省としての対応はこれで十分だと、終わりだという認識でよろしいのでしょうか。

【横井外務報道官】少なくとも午前中、外務大臣が極めて明確に言われたとおり、この問題については、外務大臣の命により外務大臣の名前で大使に対して注意を行い、大使の側からは「大変申し訳ない。もう一切、このようなコメントはしない」ということで、大臣ご自身が、「自分としてはこのように受け止めている」と発言されているとおり、現状で外務省としての立場は以上であります。

【フリーランス 安積氏】この件は、5月17日に外務省宛にインタビューの要請があって、6月1日にインタビューを実施され、6月7日に掲載ということになっております。その間に時間的な余裕があるのですけれども、外務省あてに申し込みがあったわけですから、公的なところとして外務省が把握されていると思うのですけれども、例えば、ゲラのチェックとか、そういったところの確認というものはあったのでしょうか。
 これは個人的な見解というようにおっしゃっていますけれども、外務省あてに公的に要求されたわけですから、例えばインタビューの席でどなたかがいらっしゃって、個人的な意見だけれどもと大使がおっしゃった場合に、あとで確認をして、これはちょっとまずいんじゃないかということもできたのではないかと思うのですけれども、そういったことについて、省としてはどういうようにお考えでしょうか。

【横井外務報道官】最初に、まずフィナンシャル・タイムズの側から、今度、訪中をするので大使に対してインタビューをしたいという依頼がございました。一般的に、私ども在外公館で仕事している場合には、例えば、現地のメディアであれ、あるいは今度訪れて来られるメディアであれ、直接大使館に来られたり、あるいは本省経由、もしくは別の我が方の大使館経由で、そのような依頼が来ることがあります。そういうような依頼があった場合には、依頼の旨を当該大使館にお伝えをし、当該大使館の中でインタビューを受けるかどうか、その際、どのような準備をするかについては一義的判断をして決めるというようになっております。
 外国メディアに対して、そのようなことが行われるのが一般的かどうか知りませんけれども、その際、インタビューを受けるに当たっての様々な条件というのは、大使館の側から直接メディアに対してなされるというように承知しております。

【フリーランス 安積氏】これは大使に対するインタビューを6月1日に実施した後、全くノーチェックでこの記事が掲載されたということなのでしょうか。

【横井外務報道官】その辺の事情につきましては、私ども、現地の大使館の判断に任せているということであります。仮に大使館の方から何らかの相談があれば、当然、我々はそれに従って検討するということになります。

【フリーランス 安積氏】外務省の問題ではないと思うのですけれども、例えばイランに鳩山元総理が行って、イランで発言したことが非常に問題になったことがありました。報道されてということなのですけれども。そういう事実が最近あったのですけれども、そういうことに対して、在外公館も含めて外務省の方でこういうことに関する危機意識というか危機管理というか、事前に問題発生を防止するというような体制はできていないのでしょうか。

【横井外務報道官】基本的に、様々な問題が起これば、それが防げなかったのかという観点から、いろいろなコメントや考え方の表明があると思います。今、安積さんがおっしゃったイランに関わる鳩山元総理の問題については、やや性質が違うのではないかと思います。基本的には、元総理に関わる政治家の方々の発言というのとは、少し問題が違うのではないかと私は思います。

【毎日 横田記者】一点先ほどの発言で確認ですけれども、インタビュー自体は現地の大使館の判断に任せているということですけれども、今回本省として現地大使館が事前に掲載前にゲラをチェックしたかどうかは確認されていますでしょうか。

【横井外務報道官】基本的には申し上げたとおり、まずインタビューを受けるのか、受けた結果どのような条件をつけたか、その結果どのようにしたのかというのは、一義的に現地に任せています。その理由は、大使以下在外公館員にとって、今話になっているようなインタビューを受けるようなことを含めて、対外広報一般というのは日常の任務です。したがって、その日常の任務のいちいちに、ああしろこうしろというようなことは、当然のことながらしておりません。ただ他方で、在外において様々なものを検討する際に本省の考え方、あるいは本省にチェックを入れることが必要であれば、在外の判断において本省に確認をするということになっています。ただ今回については、そのような依頼はなかったと承知しています。

【新華社通信 郭記者】今回の丹羽大使の発言について、多くの中国の国民は納得すると思うのですが、もし大使の発言が間違っているとしたらどこにあったと思いますでしょうか。また、丹羽大使の発言は、日中関係を大変心配してそのように発言したと理解しているのですが、その発言の背景について横井外報官はどのように受け止めているのでしょうか。

【横井外務報道官】昨日来、日本国政府の責任ある立場の方々が、丹羽大使の発言は日本国政府の考え方とは違う個人的な見解を述べたもの、というように述べています。その中身については、報道をチェックされれば、どの点に問題があったか明らかになると思いますけれども、今朝方、玄葉外務大臣が会見で発言されたように、我が国の尖閣諸島についての立場を改めて申し上げますと、尖閣諸島は我が国固有の領土であって、歴史的にも国際法的にも疑いをはさむ必要がない。そもそも、尖閣をめぐって解決すべき領有権の問題は存在しないというのが我が国の明白な立場です。したがって、その所有権の所在が我が国国内の甲から乙、乙から丙に移転するからといって対外的な問題はないというのが我が国政府の立場です。念のため、日本国政府の立場を申し上げました。

目次へ戻る

米軍再編問題

【琉球新報 宮城記者】今年2月に金城で在沖米軍海兵隊員が車十数台のガラスを破壊した器物損壊事件に関して、被害者の学生らが米側に示談を強要されたように受け止められる事案があったということで、本日、外務省の沖縄事務所や沖縄防衛省に対して抗議をしています。沖縄県民は反発を強めているのですけれども、その件について外務省としてのご見解と、今後何か対応があればお願いします。

【横井外務報道官】その件についてそのような報道があったということは承知しております。ただ、今私の手元にそれにお答えするだけの材料がございませんので、改めてご連絡の上、その点についてご回答申し上げます。

目次へ戻る

在中国大使館研修生の帰国

【フリーランス 安積氏】6月6日付け朝日新聞での上海の外務省職員に関する報道についてお伺いいたします。専門職研修員の男性職員は日本に帰国したわけですけれども、これは通常の人事と聞いておりますが、それとは別次元におきまして、中国政府の公安部門から出頭要請を受けていたのかどうなのか、報道によると出頭要請を受けていたということですけれども、外務省の見解は詳細について人事にかかわる問題なので回答しないということなのですが、あるのかないのか、お伺いします。

【横井外務報道官】今、安積さんがおっしゃったライン以上のものではありません。通常の人事であって、人事にかかわることでありますので、それ以上について云々しないという立場です。

目次へ戻る


報道官会見記録(平成24年6月1日(金曜日)16時30分~ 於:本省会見室)

冒頭発言

(1)2012年麗水国際博覧会における展示物について

【横井外務報道官】2012年麗水(ヨス)国際博覧会における展示物についてでございます。韓国の麗水(ヨス)において、5月12日から8月12日まで、2012年麗水国際博覧会が開催されています。同博覧会における展示物等の一部には、竹島問題及び日本海呼称問題に関連して、我が国政府の立場と相容れない内容のものがあります。
 我が国政府は、このような展示物等について、韓国政府に抗議し、撤去を申し入れてきていますが、依然として是正されていない状況にあり、これは極めて遺憾と考えます。
 特に、我が国政府が、「生きている海と沿岸」という本博覧会のテーマに沿って積極的な協力を行ってきている中で、このような抗議と撤去の申し入れを行わざるを得ない状況に至っていることは、極めて遺憾です。
 明2日には、博覧会において「ジャパン・デー」が開催される予定です。これに向けて官民が協力して準備に当たってこられたところではございますが、以上申し上げたような事情から、この「ジャパン・デー」での公式式典のために我が国政府から幹部職員の派遣を行うことはしないということとなりました。

(2)国連持続可能な開発会議(リオ+20)について

【外務報道官】国連持続可能な開発会議(リオ+20)についてでございます。これにつきましては、今月20日から22日まで、ブラジルのリオデジャネイロにおいて、国連持続可能な開発会議(リオ+20)が開催されます。この会議では1992年に同地で開催された地球サミットからの20周年の機会に、今後10年の世界の経済、社会、環境のあり方を話し合います。
 この会合に合わせて、6月13日から24日の12日間にわたり、「日本のグリーン・イノベーション-復興への力、世界との絆」をテーマとして、官民協力のもと、日本パビリオンが設置されます。日本パビリオンでは、我が国の優れた環境技術や省エネ技術を発信するとともに、東日本大震災を経験した我が国として災害に強い社会づくりに貢献する姿勢をアピールします。
 外務省としては、同パビリオン内で、東北の復興写真の展示や映像の上映等を行うとともに、6月20日には、「ジャパン・デー」として、東北地方の復興と日本の多面的魅力をアピールするセミナー及び「ジャパンイブニング」を実施する予定です。
 また、リオ+20の開催に合わせ、リオ+20日本政府代表団としてツイッターアカウント(MofaJapan_RIO+20)を開設します。利用期間は6月10日頃より6月25日頃までを予定しております。これにより、本件会議関係の新着情報やイベント等を迅速に発信・紹介していく予定であります。

目次へ戻る

2012年麗水国際博覧会における展示物

【朝日新聞 東岡記者】麗水国際博覧会の展示物について発表されたことについて、お尋ねします。まず、この博覧会において竹島問題や日本海呼称問題に関連して、日本の立場と相容れない内容のものがあると。具体的に、どういう展示物なのかということが1つと、これに対して、韓国政府に抗議し撤去を申し入れてきたということですが、いつ、誰が、どのように抗議をして、先方はどういう対応をしたのかについて、まずお尋ねします。

【外務報道官】問題の展示物等につきまして、逐一指摘するということは差し控えたいと思いますけれども、例えば、海洋ベスト館における展示物として、韓国側が竹島付近に建設を計画している総合海洋科学基地の模型やスライドなどが存在すると、展示されているというように承知しています。
 2点目の質問ですけれども、これも外交上のやりとりの詳細に属しますが、例えば、少なくともこのような展示物があるということを確認した後、佐々江次官から申珏秀駐日韓国大使を含めて、韓国側に様々なレベルで抗議と働きかけを行ってまいりました。今日に至るまで、我が方の是正要求に対し、その是正措置は現在のところ取られていません。

【朝日新聞 東岡記者】「ジャパン・デー」というのは、もともとどういうものが予定されていたのかという点と、公式式典に我が国政府から幹部職員の派遣を行わないこととしたということですが、そもそもこの「ジャパン・デー」に誰を派遣する予定だったのでしょうか。

【外務報道官】そもそもの予定について申し上げるのは差し控えたいと思いますが、「ジャパン・デー」というのは、私は上海の万博のときに現地で経験いたしましたけれども、基本的には万博の会期中に参加国の一国が決まった日に、その国が展示するものを個別に紹介をしたり、あるいは特別なサイドイベントを行ったり、そういうようなことがこの「ジャパン・デー」の内容でございます。

【朝日新聞 東岡記者】もともと誰を派遣する予定だったのでしょうか。

【外務報道官】私の手元にございますのは、「幹部職員」とあるだけで、もともと誰かということについて、今手元に用意がございません。

【NHK 広内記者】それは、もともと職員ということだったのでしょうか。政務三役とか、そういうことじゃなくて、職員ということでよろしいのでしょうか。

【外務報道官】これも、一般論でお答えしますけれども、例えば上海万博の場合であれば、政府のレベルも含めた政府の代表という方が、たしか鳩山元総理が総理特使として参加されたというように覚えております。

【NHK 広内記者】それも今回含めて検討されていたということでしょうか。

【外務報道官】少なくとも幹部職員の派遣ということで検討されていたわけです。

【朝日新聞 東岡記者】「ジャパン・デー」においては、日本政府からの幹部職員は派遣しないけれども、「ジャパン・デー」そのものは行われるということでよろしいでしょうか。

【外務報道官】その通りです。

【産経新聞 杉本記者】これが更に展示物がずっと展示されるといった場合に、更なる措置というのをどのように検討されていますでしょうか。

【外務報道官】仮定の問題ですので、非常に答えにくいわけですが、他方で日本館というものは、先般の東日本大震災に際して、世界の国々の方々から寄せられた支援に対する感謝のメッセージ、あるいはこれらの震災から復興に向けて立ち上がる我が国の姿勢を表明することを主要なテーマとしています。この部分については、韓国のみならず、多く国々の世界の方にもぜひ見ていただきたいということで、このようなメッセージを発信することにより、日本ブランドの信頼回復、あるいは日本への観光客誘致を世界にアピールする絶好の機会と考えています。
 また、我が方としても、そういった重視する点があるということもあわせ、今後の状況に応じて適確に判断をしていくということです。

【朝日新聞 東岡記者】展示物についてですけれども、先ほど竹島については、海上の基地について具体例を教えて頂きましたが、日本呼称問題ですが、こちらの方は、いわゆる「東海」という標記がなされている展示物があるということでしょうか。

【外務報道官】その通りです。

目次へ戻る

このページのトップへ戻る
前月へ戻る |  目次へ戻る