
「Japan is Open for Business」
(松本大臣によるインターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙(4月30日-5月1日付)への寄稿:要旨)
(原文(英語)はこちら)
- 震災後、サルコジ仏大統領やクリントン米国務長官を始め、多くの外国政府要人の方が日本への連帯を表明してくださっている。ギラード豪州首相は被災地避難所を訪れ「日本人が不屈で勇敢」と語った。今回の大地震と大津波は、我が国が戦後直面した最悪の自然災害だが、日本は安全・安心で高い技術を誇る我が国社会の特性を最大限活かし、単なる復旧ではなく、未来に向けた創造的復興を目指す。世界各国の皆様から頂いた支援・連帯を糧に、より魅力的な国に生まれ変わることを約束する。
- 日本は open for business and travel(ビジネス先としても旅行先としてもオープンしている)であり続ける。ICAO、IMO、WHOなどの関係国際機関も、渡航制限等の過度な対応は必要ないとする客観的な評価を行っている。是非こうした情報を信頼し、偏ったメディアのセンセーショナルな報道に惑わされず、安心して観光・留学・仕事等で日本に来ていただきたい。
- 福島第一原発については、東京電力によるロードマップの発表を受け、これまでの「応急措置の段階」から、「計画的・安定的な措置の段階」に移行したい。政府は、東京電力に対し、このロードマップで示された各工程が、安全性を確保して的確に実施されるよう、定期的なフォローアップを行い、作業進捗や必要な安全性の確認を行っていく。
- 政府は大気、水、食品等の状況を継続的にモニタリングしているが、放射性物質のほとんどは当初の数日間で放出されており、以来、大気中の放射線量は徐々に減少している。
- 東京における放射線量は、一度も健康に問題を生じさせる数値となったことはなく,安定的に低下し続け,現在ではほぼ事故以前の値に戻っている。
- 食品については、国際放射線防護委員会(ICRP)による勧告を基に設定した規制値を上回る場合は国内でも流通しないよう措置がとられ、ましてや輸出も行われない。農産品・水産品とも、規制を受けるようなレベルの放射能が検出される品目・地域は限られている。必要な場合には、これらの地域以外で生産された旨の証明書の添付も行われている。
- 工業製品は、警戒区域外の屋内で厳重な品質管理のもとで生産されている。もとより放射性物質の影響を受けることは考えにくく、安全は確保されている。
- 港湾や空港の放射線測定状況については随時公開しており、加えて、コンテナや船舶については国土交通省が放射線測定のガイドラインを公開し、横浜港等で放射線測定に対する証明を4月28日より実施している。
- もしも読者の方々が、日本全体が瓦礫の山に埋もれているとの印象を持たれているとしたら間違いだ。日本の多くの地域は災害の影響を全く受けておらず、街は活気を取り戻している。
- 被災地である東北地方の主要な高速道路は震災後2週間で開通。東京と東北を結ぶ新幹線も4月29日には全線で運行を再開した。
- 被害を受けた企業や工場も創意工夫に富んだ取組みで予想を上回るスピードで再開。内外に向けたサプライチェーンはつながりつつある。これは日本の「ものづくり」の強靱さを示している。
- ドナルド・キーン米コロンビア大名誉教授が、「日本は一瞬打撃を受けたが、未来は以前よりも立派な国になると信じる」とのメッセージとともに日本国籍を取得される意向を示された。もしもあなたが、新たな復興に向けて歩み始めた日本を支援したいと考えて頂けるなら、その最も合理的・効果的な方法は、これまでどおり、日本を訪れ、日本の優れた製品を購入いただくことである。是非、日本との交流にもっと参加して欲しい。