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平成19年度第2回「外務省セミナー『学生と語る』」
~結果報告~

平成20年5月

 平成20年1月11日(金曜日)、京都において平成19年度第2回「外務省セミナー『学生と語る』」を開催いたしました。

 当日のプログラムとその様子について、アンケートにご協力頂いた参加者の感想を引用しつつ、紹介します。

(写真)開会挨拶

1.全体講演

開会挨拶

 始めに、国内広報課長 弦本英一より開会挨拶がありました。

「国際情勢」についての講演(12時5分~13時25分)

 「変化する国際情勢と日本外交」と題し、軍縮不拡散・科学部 不拡散・科学原子力課長 市川とみ子が講演しました。

 市川課長は、冷戦とその終結から、テロや大量破壊兵器拡散等の新たな脅威に直面する現在の国際情勢について、自身のこれまでの外交官としての体験と、豊富な写真資料を交えながら講演しました。参加者の平均年齢とほぼ同じ約20年間にわたる日本外交の変遷について述べた上で、参加者からの幅広い質問に対して丁寧に回答しました。

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<参加者の感想>

「若手省員による体験談(採用に関する説明を含む)」(13時25分~14時10分)

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 続いて 人事課課長補佐 舟津龍一が、外務省の仕事と魅力、求められる人材等について講演しました。

 舟津補佐は、外務省の仕事の目的を「外務省設置法」に基づいて説明したのち、体験談を交えつつ「公」と「個」の魅力について話しました。

 また、求められる人材について定型はなく、外務省という職場、外交官という職業を通じて「人間力」をアップできる、と述べました。

<参加者の感想>

2.分科会(14時30分~16時30分)

 全体講演終了後、6つの会場に分かれて分科会が行われました。各分科会テーマについての外務省員によるプレゼンテーション、質疑応答ないしディスカッションが行われました。

「東アジア共同体」
(講師:アジア大洋州局 地域政策課 竹端昌宏課長補佐)

 「東アジア共同体」の分科会では、将来の「東アジア共同体」の形成を視野に入れてこの地域で推進されている地域協力に関し、その内容やアジア外交における位置づけについて講師から説明がありました。続いて、「東アジア共同体」にどのような国が参加することが望ましいか、その内容、経済統合の在り方などについて、参加者から様々な意見が寄せられました。また、東アジア地域の安定にとって不可欠な米国と「東アジア共同体」構想の関係や、急速な経済成長を遂げ大国として台頭している中国が、今後どのような立場で地域協力に臨むと思われるか等について、意見交換が行われました。

<参加者の感想>

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「中南米外交」
(講師:中南米局 南米カリブ課 近藤紀文課長補佐)

 「中南米外交」の分科会では、日本国内では馴染みの薄い中南米地域がテーマであることを踏まえ、講師より、非伝統的な政治勢力の台頭、経済に対する国家の関与の強化等最近の中南米諸国の特徴的な点について詳細に説明を行いました。さらに、こうした中南米地域の特徴を踏まえて、我が国として、1)経済関係の強化、2)地域の安定的発展への貢献、3)国際場裡での協力、という3点を対中南米外交の大きな柱として外交を実施していることについて説明を行いました。参加者から、これまで報道等に基づき有していた中南米諸国に対する印象と、講師からの説明に差異がある点につき指摘があるとともに、中南米外交の今後のあり方等について講師も含め議論が行われました。

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<参加者の感想>

「経済外交」
(講師:経済局 経済連携課 小沼士郎首席事務官)

 「WTO・EPAと日本の経済外交」の分科会では、まず日本の経済外交の基軸であるWTOを中心とした多角的自由貿易体制の維持・強化の意義について、GATT成立から現在に至るまでの日本経済の発展を振り返りながら確認した上で、2000年に日本が政策転換を行ってEPA推進に舵をきることとなった背景を説明しました。引き続き、少子高齢化に伴う人口減少の中、今後日本としてとりうる政策の選択肢について、議論・質疑応答を行いました。この議論の中で、ASEAN+3のFTA、ASEAN+6のEPA、FTAAP(アジア太平洋自由貿易圏)構想などの広域経済連携構想、また、米やEUという大市場国とのEPAの得失など様々な課題が取り上げられました。

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<参加者の感想>

「日本の安全保障」
(講師:北米局 日米地位協定室 深堀亮課長補佐)

 「日米安保」の分科会では、まず、日米安保体制の概略につき触れた上で、抑止力を維持しつつ、地元の負担を軽減するという考え方の下、2006年5月に日米で合意された「再編のためのロードマップ」にしたがって実施されている「在日米軍の再編」について、講師からの説明及びこれを受けた質疑応答が行われました。分科会においては、そもそも何故、在日米軍の再編を行っているのか、日米の間でこれまでどのような議論を行ってきたのか、「ロードマップ」を実施する段階に移って、現在どのようなことが現場で起きているのか等につき説明し、地元自治体、日米両政府等、それぞれの当事者の立場・考え方について検証をする中で、「日本の安全を保障する」ということの具体的なイメージを多少なりとも共有することを目指しました。また、在日米軍の在り方、ひいては日本の安全保障体制の在り方について、中・長期的な観点から、参加者から様々な意見が出されました。

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<参加者の感想>

「ODA」
(講師:国際協力局 政策課 山田欣幸課長補佐)

 ODAの分科会では、まず講師より日本が進めるODA政策について、地域毎・分野毎に概観した上で、ODA政策が政府内でどのように形成され、個別のプロジェクトとして実施されているのかについて、環境ODAを例に取りながら説明しました。続いて、日本及び他の主要援助国の昨今のODA実績の傾向について説明し、今後日本が外交の場でODAを如何に効果的に活用していくべきかについて議論しました。参加者からは、日本のODAがどのように評価されているか、現地住民への裨益効果を外務省はどのように判断しているのかといった視点や、アジア・アフリカを中心とした地域的な視点からの意見を始め、様々な意見・質問が出されました。

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<参加者の感想>

「広報・文化交流」
(講師:広報・文化交流部 総合計画課 齊藤順子課長補佐)

 「広報・文化交流」の分科会では、パブリック・ディプロマシーとは何か、外務省がどのような広報・文化交流事業を行っているかを説明した上で、1)日本の魅力とは何か、2)日本の魅力を広く広報するためにどのような広報・文化交流活動を行ったらいいかについて自由な討論を行いました。外国のテレビ局が作成した日本紹介番組や海外で行われた世論調査結果についても紹介されました。

 参加者からは、日本の魅力として「古いものと新しいものが共存していること」「おもてなしの心といったサービス精神」「漫画などのポップカルチャー」など様々な意見が出され、和やかな雰囲気の中で、活発な議論が行われました。

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<参加者の感想>

最後に

 今回のセミナーに参加して下さった約80名の皆様、そして事前広報にご協力頂いた各大学・大学院・予備校関係者の皆様に、改めて御礼申し上げます。

 20年度も、本事業を更に充実させていきます。多くの方の参加をお待ちしております!

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