
平成17年度第3回タウンミーティング「学生と語る」
~結果報告~
平成17年12月26日(月曜日)、聖心女子大学(東京)において、平成17年度第3回「タウンミーティング『学生と語る』」を開催いたしました。
アンケートにご協力頂いた参加者の感想を引用しつつ、当日の様子をご紹介します。
全体講演

全体講演は、300名近くの参加者が
一堂に会する形で実施されました。
「国際情勢」についての講演(12時35分~13時20分)
まず、谷口智彦外務副報道官から、外交とは決して外務省の占有物ではなく、国民一人ひとりが心がけるものであること、そのためには己を知ること、日本が世界からどう見えているのかを知ることが大切であることについて、パワーポイントを使った迫力ある講演が行われました。また、外務省が求める人材について説明がありました。

- “外交の反対語は戦争である”という言葉に日本外交官としてのあるべき姿や義務を垣間見たような気がしました。
(東京外国語大学Aさん)
- 「私」も外交に携われる、日本や世界のために行動出来る、と考えると胸が熱くなり、背筋がピンと伸びた気がしました。
(東洋英和女学院大学Bさん)
「外務公務員の実情」(13時20分~13時50分)
続いて、総合外交政策局 安全保障政策課 神谷直子事務官から、「外務公務員の実情」というタイトルで講演がありました。神谷事務官の入省後の職歴など、具体的な内容を盛り込みながら、外務省で働く魅力などが紹介されました。

- 具体的な条約の作り方、通訳の仕事における苦労話など、普段なかなか聞 くことの出来ないお話を聞くことができました。
(早稲田大学Cさん)
- 「相手の立場になって物事を考える」ことの大切さを教えて頂けた気がします。
(慶応義塾大学Dさん)
採用及び研修制度について
休憩の後、大臣官房 人事課 守山弘子事務官から、外務省の採用情報及び研修制度についての説明がありました。外務省の職場環境、働く上で求められる資質、外務省を目指す方へのアドバイスなど多岐にわたる内容でした。

- 入省後、どのような道をたどるかが非常によくわかりました、入省1ヶ月で活躍の場が与えられることにも非常に魅力を感じました。
(東京大学Eさん)
- 普段イメージするような華やかな世界だけでなく、裏には省員一人一人の苦労があるのだと実感した。
(東京外国語大学Fさん)
分科会(15時00分~17時00分)
全体講演終了後、8つのテーマに分かれて分科会が行われました。各分科会では、現在、まさにそのテーマを担当している省員によるプレゼンテーション、参加者を交えてのディスカッションや質疑応答がホットに繰り広げられました。
なお、「国際公務員になるには」の分科会には、実際に現在国際機関で活躍していらっしゃる遠藤純子さん(UNESCOパリ本部予算局)が、特別に講師としてご参加下さり、国際公務の現場の様子を参加者に直に伝えてくださいました。
「対ロシア外交」(講師:欧州局 ロシア課 島桂一課長補佐)

- 報道された情報ではなく、生きた外交を聴けて良かった。大学生のみならず、中・高生も対象にやって頂きたい。
(東洋大学Gさん)
- 疑問に思っていたことについて直接質問に答えていただけて今後の参考になった。
(明治大学Hさん)
「文化交流」(講師:広報文化交流部 文化交流課 齋藤康平課長補佐)

- 文化交流を通して、他国とのつながりを強化し、外交に活かすということが具体的に理解できてよかった。
(早稲田大学Iさん)
- 日本が文化交流に対して、どのような姿勢で取り組んでいるのかがよく分かった。様々な方の視点から意見が聞けたので非常に興味深いものでした。
(獨協大学Jさん)
「中東和平」(講師:中東アフリカ局 中東第一課 石田訓夫地域調整官)

- 中東紛争の歴史から、現在の和平プロセスの状況、日本が中東和平においてどのような位置にいるか等を細かく説明して頂けて濃い内容だった。
(上智大学Kさん)
- 質問したかった疑問点や新たな視点からのお話も聞けてよかったと思います。
(東京大学Lさん)
「日本の安全保障」(講師:総合外交政策局 安全保障政策課 井関至康課長補佐)

- 冒頭の講義では、日本をとりまく環境を偏りなく体系的に理解することができました。質疑も活発で、楽しみながら参加させて頂きました。
(聖心女子大学Mさん)
- 自分の不勉強を痛感するとともに、第一線で活躍なさっている井関さんのリアルなお話に刺激を受け続ける時間を 過ごせました。
(東京大学Nさん)
「東アジア共同体」(講師:アジア大洋州局 地域政策課 堀田亨課長補佐)

- 新聞では、報道されなかった内容や観点を話して頂き、現実味があって、実際の外交の世界をイメージしやすかった。
(学習院大学Oさん)
- 東アジア共同体構想をめぐる関係国の姿勢とそれぞれの状況について丁寧にご説明頂き、また、学生どうしで自由にアイデアを出すことができ、大変勉強になりました。
(東京大学大学院修士課程修了Pさん)
「PKO」(講師:総合外交政策局 国際平和協力室 坂田奈津子課長補佐)

- PKOについて、国連と日本の関係、ODAや現地の声なども含めて、お話が聞けたので、とても勉強になりました。資料も豊富で、経験されたお仕事のお話を交えて説明して頂いたので興味深く、もっとPKOを含めた平和構築を学んでいきたいと思います。
(早稲田大学Qさん)
- 最近、PKOについての報道が少なくなり、近況などを聞く機会があまりなかったので、少し難しい話でしたが勉強になりました。
(横浜国立大学Rさん)
「軍縮・不拡散」(講師:軍縮不拡散・科学部 軍備管理軍縮課 大野祥課長補佐)

- 国連決議の採択に至るまでの調整など、外交の舞台裏の話を聞くことができ、軍縮外交における利害調整と平和のための目的達成のバランスの実現の難しさを感じた。
(上智大学Sさん)
- 日本が軍縮・不拡散外交を展開するに当たって考えなければならない問題をフォローして頂いたので、自分の問題意識を掘り下げる上で参考となりました。
(上智大学Tさん)
「国際公務員になるには」
(講師:国際社会協力部 国際機関人事センター 矢野由紀子事務官
UNESCOパリ本部予算局 遠藤純子氏)

- 現場で働いている方の意見や実情を知ることができ非常に有益だった。より、モチベーションがあがった。
(早稲田大学Uさん)
- 女性の立場での、結婚や出産についての待遇や、国際機関で働くことの意義などが聞けて、より真剣に就職を考えられるようになりました。
(上智大学Vさん)
最後に
今回は、今年度最後の開催ということもあり、大変多くの方々からお申込みをいただきました。遠くは、秋田県や広島県からもご参加下さいました。ありがとうございました。会場の都合により、希望者全員に参加して頂くことができなかったことをお詫び申し上げます。今回ご参加頂けなかった皆様については、次回以降での参加をお待ちしております。
また、当日ご協力頂いたアンケートでは、分科会での参加人数をもう少し絞るべきだとか、もっと討論の時間が欲しかった等の貴重なご意見やご希望も頂きました。今後、本事業がより良いものとなるよう、参考とさせていただきます。
本事業は、外務省や国際公務員を志す方だけではなく、「外交の最前線で活躍する外務省員の話を聞きたい」、「同年代の学生との意見交換を通じて国際問題の知識を深めたい」という方の積極的なご参加もお待ちしております。
最後になりましたが、各大学の教職員の皆様には、お忙しい中、学生の皆さんへの呼びかけにご協力頂きました。この場を借りて心よりお礼申し上げます。