イベント・募集案内

NGOによる民主化支援セミナー
参加者募集要項

2008年2月2日(土曜日) 9時45分~17時15分

※セミナーは終了いたしました。

1 主催:

 外務省(総合外交政策局人権人道課)、実施:社団法人シャンティ国際ボランティア会

2 背景、目的

 国連では、民主主義の推進と強化のためのプロジェクトへの資金援助を行うために、国連事務総長によって「国連民主主義基金」(United Nations Democracy Fund, UNDEF)が2005年7月に設立されました。UNDEFは、5万から50万米ドルの範囲で、(1)民主的対話、憲法起草・改正手続、(2)市民社会エンパワメント、(3)市民教育、投票者登録、政党強化、(4)市民による情報へのアクセス、(5)人権及び基本的自由、(6)説明責任、透明性、健全性の分野の活動を支援しています。2006年8月に最初の資金提供先を発表しましたが、その支援対象は主に市民社会組織(NGO)による125プロジェクトで、総額3,500万ドルでした。残念ながら日本のNGOからUNDEFへの申請はこれまで行われていません。

 一方、2007年2月に外務省が主催したシンポジウム、「自由と繁栄の弧をめざして-日本の人権・民主主義外交の新たな展開」では、民主化は、現地政府によって推進されるのみならず、現地に根ざしたNGOの関与が大きいことから、NGOとのパートナーシップの重要性が指摘されました。さらに日本政府は、普遍的価値に基づく外交を重視する姿勢から、2007年3月にUNDEFに対して1,000万米ドルを拠出しました(我が国は累積拠出額第2位)。

 このセミナーは、民主化支援に実績を有する国際および現地NGO、UNDEF関係者を講師として招聘し、日本のNGOによる民主化支援の実践能力の向上を目的として実施するものです。我が国が多額の拠出をしたUNDEFを日本のNGOが活用できるようになることが期待されています。セミナーの目標は、参加者が、

(1) 民主化支援の枠組みならびに事業立案・実施に必要な留意点・ノウハウを学び、

(2) 国連民主主義基金および民主化支援財団・基金から資金提供を受けるための効果的な応募方法を知り、

(3) 国際NGO、現地NGO、対象国政府機関、国連機関との効果的な連携の方法を習得する、ことです。

3 日時、会場

 日時:2008年2月2日(土曜日) 9時45分~17時15分

 会場:東京都新宿区市谷本村町10-5 国際協力機構(JICA)国際協力総合研究所(市ヶ谷)

 地図:http://www.jica.go.jp/jica-ri/about/access.html他のサイトヘ

4 プログラム

 午前は全体会合形式で世界における民主化支援の全体像、枠組み、事例を学びます。午後は分科会形式で行い、立案、実施、モニタリング、連携構築など実践的な方法を学びます。午前の全体会合は同時通訳、午後の分科会は逐次通訳があります。 なお、プログラムは変更する可能性があります。

時間 プログラム
9時20分-9時45分 参加者受付
9時45分-10時00分 開会
10時00分-10時40分

全体会合 「国際的な民主化支援の価値(The Value of International Democracy Promotion)」

(1) 基調講演 Roland Rich 氏(UNDEF事務局長)
 民主化支援の全体像や概念枠組み、UNDEFの概要や優先分野について学びます。

10時40分-10時55分 休憩
10時55分-12時30分

(2) パネルディスカッション

 民主化支援の具体的な事例について学ぶとともに、民主化支援分野で活動するための日本のNGOの可能性について考えます。

発表

・「国際NGOによる民主化支援」
  Preeti Shoroff-Mehta 氏(World Learning、市民社会とガバナンスプログラム・ディレクター)

・「現地NGOによる民主化支援」
  Igballe Rogova 氏(Kosova Women's Networkエグゼクティブ・ディレクター)

・「カンボジアでの民主化支援と日本のNGOの可能性」
  熊岡路矢 氏(カンボジア市民フォーラム事務局長)

・質疑応答・討論

12時30分-13時45分 昼食
13時45分-15時15分

分科会 セッション(1)「民主化支援プロジェクトの立案と実施」

 分科会は、2つのセッションで構成され、セッション1では、立案と実施、セッション2ではモニタリング、連携構築、資金調達について学びます。以下の3つのテーマ別に分かれて、講師による講義と質疑、討論を行います。

分科会のテーマと講師

A:「社会開発協力事業に民主主義支援の要素を取り入れるには」
  講師:池田 明子 氏(UNDEF諮問委員会事務局員)
  モデレーター:熊岡路矢 氏(カンボジア市民フォーラム事務局長)

B.「市民社会強化プロジェクトの立案と実施」
  講師:Preeti Shoroff-Mehta 氏World Learning 市民社会とガバナンスプログラムディレクター)
  モデレーター:秦辰也 氏(シャンティ国際ボランティア会専務理事)

C.「女性のエンパワメントと和解のためのプロジェクトの立案と実施」
  講師:Igballe Rogova 氏(Kosova Women's Networkエグゼクティブ・ディレクター)
  モデレーター: 高瀬 一使徒 氏(ワールド・ビジョン・ジャパン海外事業部長)

15時15分-15時30分 休憩
15時30分-17時00分

分科会 セッション(2)「モニタリング、パートナーシップ構築、資金調達」

各分科会(A,B,C)テーマはセッション(1)と同じ

17時00分-17時15分 閉会と評価

5 講師

* Roland Rich

 UNDEF事務局長。UNDEF事務局長に就任する前は、Centre for Defense and Strategic Studies, Australian Defense Collegeのディレクター、National Endowment for Democracy(ワシントンD.C.)のリサーチフェロー、Centre for Democratic Institutions at the Australian National Universityのディレクターを歴任。1975年からオーストラリアの外交官として、フランス、ミャンマー、フィリピンの大使館に勤務し、1994-1997年まで、駐ラオス大使、国際機関担当次官補を務めた。編著書に“UN Role in Democracy Promotion”(United Nations University Press, 2004)、“Pacific Asia in Quest of Democracy” (Lynne Rienner Publishers, 2007)がある。

* 池田明子 氏

 UNDEF諮問委員会事務局員として、ドナーやNGO等との連携、基金の運営、基金が支援したプロジェクトのモニタリング・評価に従事している。UNDEFに務める以前は、国連事務局の経済社会局や平和維持活動局地雷対策サービス部に勤務し、アフガニスタン、ブルンジ、コンゴ、エリトリア、スーダンでの地雷被害者の社会経済活動プログラムを立ち上げるとともに、地雷被害者の権利保障の観点から障害者権利条約の起草プロセスにも貢献した。中央アフリカ共和国の大統領選挙の監視団に参加した経験もある。

* Preeti Shroff-Mehta

 米国ワシントンDCに本部をおく国際NGO World Learning(WL)の市民社会とガバナンスプログラムディレクター。WLの大学部門School for International Training(SIT、米国バーモント州)やJohn Hopkins大学国際学部などで、国際NGO職員や大学院生を対象とした政策提言プログラム講師を務める他アルバニア、モロッコ、アルメニア、アンゴラ、ルーマニア、インドネシアなどで現地NGO向け事業運営研修など研修デザイン実施経験が豊富である。また、民主化支援事業への米国開発庁(USAID)資金を含め、世界銀行、UNICEFなど政府、国際機関資金による事業運営経験がある。政策提言、公共セクターと行政改革、ノンフォーマル教育、ライフスキル教育、人権、人身売買、宗教調和、コミュニティ和解、女性のリーダーシップ、HIV/AIDSなど幅広いグローバルイシューでのプロジェクト運営の経験を持つ。

* Igballe Rogova

 2000年より現地NGO、Kosova Women's Network(KWN)に関わり現在はエグゼクティブ・ディレクター。1998年米国サンフランシスコのInternational Network of Women's Organizationsより “Women of the Year Award”受賞。KWNは2006年国連民主主義開発基金の資金援助を受けて、コソボにおけるジェンダーに配慮した民主化プロセスと紛争後の和解促進ならびにNGOの能力強化を目的とする“Women's Peace Coalition”を運営している。UNICEF、OXFAMなど国際NGOでの勤務経験があり、コソボ難民キャンプ内でのジェンダー平等、女性の政治参加、公開選挙システム、反人身売買に関する市民教育、キャンペーンに携わってきた。日本、フィリピン、インドネシア、タイ、ケニア等でNGOの能力強化事業のトレーナーとしての経験がある。

* 熊岡路矢 氏

 カンボジア市民フォーラム(PEFOCJ)共同代表、日本国際ボランティアセンター(JVC)理事。1979年ポト政権崩壊後の状況に触れ、インドシナ難民救援参加を決意。1980年にタイでJVC創設に参加。83年カンボジア国内に赴き給水活動。1985年からJVCカンボジア代表として、技術訓練、母子保健など。1993年PEFOCJ創設以降、カンボジアなどにおける人権問題、選挙監視・民主化支援活動に参加。1995-96年JVC代表。アジア・アフリカでの紛争地での活動に関わる。現職:東京大学大学院客員教授、難民審査参与員(法務省)、UNHCR駐日事務所アドバイザー。朝日新聞紙面審議委員などを務めている。著書に『カンボジア最前線』。共著:『こどもたちのイラク』など多数。

6 参加条件

 参加者は、以下の2点を満たす方です。(1)「国際開発協力分野あるいは国際人道援助分野のNGOの職員、役員の方(有給・無給は問いません)、(2)終日ご参加できる方。

7 定員、参加費、申込締切、申し込み方法

 定員100名。参加費無料。申込締切は1月25日(金曜日)(必着)(当初の21日(月曜日)より延長しました。)。お申し込み後、1週間以内に申し込み受付の確認のご連絡をメールでご連絡します。申し込み後1週間を過ぎても事務局から連絡がない場合は、お手数ですが下記までご連絡ください。

 セミナー事務局:社団法人シャンティ国際ボランティア会気付 担当:三宅、伊藤

 電話:03-5360-1233、FAX:03-5360-1220

 参加申込フォーム(PDFPDFWORD)に記入の上、メールでご送付ください。お問い合わせも、メールでお願いいたします。
E-MAIL: democracyseminar@hotmail.co.jp


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