外務省では8月24日(水曜日)に、小中学生を対象としたイベント、「キッズ外務省2005・見学デー」を開催しました。
このイベントは、文部科学省の呼びかけによって行われた「子ども見学デー」の一部として開催されたもので、子どもたちが外務省の仕事や、世界の国々について興味を持つ機会を提供するために行われました。
当日は、小中学生とその保護者合わせて約100人のみなさんが参加して、谷口智彦(たにぐち・ともひこ)外務副報道官(がいむふくほうどうかん)のお話をきいたり、外務省の仕事に関するクイズに挑戦したり、外国の大使館の人とお話をしたりしました。
今回ご参加いただけなかった人のために、当日の様子を一部ご紹介します。
最初に、谷口副報道官が、外務省の仕事についてお話しました。
副報道官はおうちを例にあげて、「みなさんのおうちがどろぼうや、火事にあったら困りますよね?外務省の仕事はいろいろありますが、その大きな一つは、日本という国が、どろぼうに入られたり、火事にあったりしないように、他の国が日本と仲良くしていこうと思うようにしていくことです」と説明しました。
その後、外務省の仕事について、クイズを行いました。ここでは、そのクイズの内容を、いくつかご紹介しましょう。
問1:世界には、いくつの国があるでしょうか?
答 202ヵ国 or 191ヵ国
問2:日本に、外務省と呼ばれる役所が創られたのは、いつでしょうか?
答 明治時代 or 江戸時代
問3:海外の国で、日本人が2番目に多く住んでいるのは、どちらの国でしょう?
答 フランス or 中国
答えは、一番下にあります。みなさんも、どうぞ考えてみてください。
プログラム1の最後に、参加した小中学生が外務省の人に自由に質問するQ&Aが行われました。
「外務省には、どんな課があるのですか?」という質問から、「大使館と総領事館の違いはなんですか?」というするどい質問までありました。
「外務省で働くには、どんな英語の資格が必要ですか?」という質問に対しては、谷口副報道官が、「英語も大切ですが、世界の事を知りたいと思う気持ちが一番大切です」と答えていました。
その後、参加者は15人くらいずつのグループに分かれて、外国の大使館の方々のお話を聞きました。
今回協力してくださったのは、東京にあるキューバ大使館、ベトナム大使館、モロッコ大使館、EU代表部の方々で、それぞれのブースで地図や写真、おもちゃなどを見せてくれながら、とても上手な日本語で、いろいろなことを説明してくれました。
キューバ大使館の方は、キューバの自然や歌、踊りなどのビデオを見せながら、キューバの治安が良いことや、教育・スポーツに力を入れていることを説明してくれました。
現在、キューバでは有機農業(ゆうきのうぎょう:化学肥料を使わない、安全な野菜や穀物を作ること)が盛んで、この作物は外国にも輸出されているとのことでした。
ベトナム大使館の方は、ベトナムの北部が中国とつながっていて、文化的にも深い関わりがあることや、ベトナム政府が特に教育に力を入れていることなどを教えてくれました。
また、ベトナムの伝統的なおもちゃを使った遊びを教えてくれ、参加した子どもたちも挑戦していました。
モロッコ大使館の方は、モロッコの写真がたくさん入ったパンフレットを使いながら、モロッコがイスラム教国であることや、国旗の由来、伝統的な家の作り方などを説明してくれました。
日本で食べられているタコの65%は、実はモロッコからの輸入なのだそうです。
EU代表部の方は、「EUは国ではなくて、いわば国の家族のようなものです」と、EUの成り立ちや特徴について説明してくれました。
また、ユーロという通貨は同じでも、国によって使われているコインのデザインが違うことなどを、本物のコインを子どもたちにさわらせながら、説明してくれました。
プログラムの時間は4時30分まででしたが、小中学生からたくさんの質問が出たため、お話は時間を大幅にオーバーして続けられました。
参加者は最後まで名残(なごり)おしそうに、大使館の方たちとお話をしていました。
今年のイベントには、たくさんの応募をいただきましたが、部屋の広さの関係で、子ども70人とその保護者のみなさんしか受け入れることができませんでした。お断りしたみなさん、本当にごめんなさい。
来年も「子ども見学デー」は実施される予定ですので、どんなイベントになるか、楽しみにしていてください。
参加してくださったみなさん、どうもありがとうございました。
☆ クイズの答え ☆
問1:191ヵ国
問2:明治時代
問3:中国