ウォルター駐日ノルウェー王国大使、
御来賓の皆様、
本日は、「クラスター弾に関する条約」促進・普遍化の集いにお集まりいただき、心から歓迎いたします。我が国は、昨年7月にこの条約を締結し、他の未締結の国々も早期に締結するように働きかけてまいりました。喜ばしいことに、先月、条約が本年8月1日に発効する運びとなりました。岡田大臣は、このことを歓迎する談話を発表しましたが、本日、改めてここにお集まりの皆さんと共に条約発効の確定を祝えますことを大変喜ばしく思います。
この条約は、「オスロ条約」とも呼ばれていますように、2007年のオスロ宣言で交渉プロセスが開始され、2008年12月にオスロにて署名式が行われました。この機会を捉えまして、一貫して強い主導権を発揮してきたノルウェーを始めとする条約推進国の貢献を称えたいと思います。
今から約2年前、クラスター弾がもたらす人道上の懸念に一刻も早く対応しなければならないという共通の認識の下、ノルウェーや我が国を含む賛同国が、人道上の目的を追求し、国際人道法の観点から画期的とも言えるこの条約を採択し、先月、ようやく発効が確定しました。条約の作成を推進してきた各国の尽力とNGOの貢献に対し、改めて敬意を表します。
これまで我が国は、地雷やクラスター弾を含む不発弾の処理支援を積極的に実施してきました。1998年以来、40か国・地域に対し、総額約3億9千万ドルの支援となります。被害者支援を含め、今後も引き続きこの分野で貢献していきたいと考えています。また、多くの国々がまだ条約を締結していない中、我が国は、アジア大洋州地域の条約未締結の国々を中心に、幅広く締結を呼びかけています。11月にラオスで開催される第1回締約国会合に向けて、他の条約締結国や市民社会と協力し、できる限り多くの国が条約を締結するよう、条約普遍化の促進に今後も取り組んでいく考えです。
本日の集いでは、後ほど、クラスター弾の最大の被害国であり、第1回締約国会議のホスト国であるラオスから外務省マイトーン・タンマボンサー次長よりクラスター弾の被害状況について詳しくお話し頂くとともに、不発弾対策支援の取組について、日本のNGO「難民を助ける会」により現場の声を届けて頂く予定です。ご来場の皆様には、これらのプレゼンテーションにより、条約普遍化を目指す本日の「集い」の趣旨をくみ取っていただけるものと期待します。条約締結を検討中の各国の外交団の皆様におかれましては、クラスター弾の問題への認識を深め、締結に向けた準備を更に進めて頂くようにお願いできましたら幸いです。
御清聴ありがとうございました。