
国連の場における演説
第63回国連総会:議題110「総会の再活性化」
角国連日本政府代表部大使によるステートメント(骨子)
平成20年11月20日
(英文はこちら)
- 総会は、全ての国連加盟国が参加する国連で最も代表性のある機関であり、国連憲章が規定するあらゆる問題・事項について討議する権限を有している。
- 我が国としては、第一に、既に総会において行われているテーマ別討論を有益と考えており、これを評価している。9月25日に開催されたMDGsに関するハイレベル会合が有意義であったのは、同問題についてのテーマ別討論が既に4月に行われ、その成果が充分に反映されたものであったからであると考える。また、5月に行われた人間の安全保障に関するテーマ別討論では、開発、平和と安全、人権等、国連の主要な活動のすべてに関係する人間の安全保障という重要テーマについて加盟国の理解が促進され、極めて有益であったと考えており、このテーマ別討論を契機として、人間の安全保障というテーマが国連活動のアジェンダの中に更に組み込まれていくことを強く期待するものである。
- 他方、4月に行われたマネジメント改革に関するテーマ別討論では、現下の課題に対する加盟国の認識共有が図られたものの、議論の内容は、相当程度第五委員会での議論と重複するものであったところ、国連の限られた資源でテーマ別討論を行う場合には、選定するテーマや討議内容についてケース・バイ・ケースで慎重な検討が行われるべきである点も指摘したい。
- 第二に、総会は、その作業の効率化を図り、議論や決定がより効果的となるような努力を継続していく必要がある。総会議題の短縮化により、個々の議題に一層焦点を当てた議論を行うこと、総会決議を簡潔化し、焦点を絞り行動指向の内容にすること、総会に提出される大量の文書の削減に全ての関係者が取り組み、総会に関する作業の効率化に包括的に取り組むことを今後とも継続していくことが重要であると考える。総会の作業効率化のため、特に総会で直接取り扱われる議題に関しては、ジャーナル等を通じて審議・採択の日程等がすべての加盟国に広く透明性をもって前広に共有されるよう事務局に求めたい。
- 第三に、安保理から総会への年次報告の提出、事務総長から総会への時機を得た各種報告を歓迎する。主要機関間の連携の強化、及び調整の改善が、今後も継続されるプロセスとして実施されるように期待する。総会は、平和構築委員会(PBC)に対する全般的指針を示す機関であり、総会におけるPBC年次報告書に関する活発な討論等に見られる、両機関間の連携強化を歓迎する。
- 最後に、我が国は、総会で決定された事項が誠実かつ迅速に履行されることを重視している。この点において、これまでのアドホック作業部会や事務局の作業を多とするものであるが、右作業は引き続き継続されるべきものであり、決議62/276にて決定された第63回総会におけるアドホック作業部会は、引き続き総会の決議の履行状況のレビュー・モニターの活動に焦点を当てるべきと考える。
- 我が国は、第63回総会においても、総会の再活性化について建設的な議論が行われることを期待し、またこのための貢献を継続する所存である。