演説

国連の場における演説

第4回包括的核実験禁止条約(CTBT)フレンズ外相会合における
川口順子政府代表演説(仮訳)

平成20年9月24日、ニューヨーク

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 バン国連事務総長、各国代表の皆様、
 今般、共催国とともに第4回包括的核実験禁止条約(CTBT)フレンズ外相会合を開催出来ることは、2002年の本件会合立ち上げに関与した自分(川口政府代表)にとっても大きな喜びです。今次会合開催に向けた関係国代表団の尽力に深甚なる謝意を表明いたします。

(CTBTに対する我が国の基本的姿勢等)

 我が国は唯一の被爆国として、核廃絶という目標に向けて、イニシアティブを取っていきたいと考えております。我が国は、CTBTの早期発効を極めて重視しております。2010年NPT運用検討会議に向けて、CTBTの早期発効のため精力的に取組んでいく考えです。
 この度、日豪両国首脳のイニシアティブにより「核不拡散・軍縮に関する国際委員会」が設立されることとなり、豪のエバンス元外相と私が共同議長に指名されました。同委員会は核軍縮、核不拡散及び原子力の平和的利用を取扱い、2010年5月に開催されるNPT運用検討会議への貢献として、報告書を提示予定です。ご出席のペリー元国防長官には、同委員会の委員として名を連ねていただいています。同委員会の結論が、CTBT早期発効に向けた皆様の努力を後押しするものとなるように、私自身も共同議長の一人として尽力したいと思います。

(CTBTを取り巻く現状に対する評価)

 CTBTの発効にその批准が必要とされている44か国の内、本年1月にコロンビアが批准したことにより、未批准の国は9か国を残すだけとなりました。一昨年10月の北朝鮮による核実験実施発表は、このような核実験禁止を追求する国際的努力に対する重大な挑戦でありました。我が国は寧辺の核施設の活動停止に続き、北朝鮮が共同声明を早期に完全に実施すべきであることを強調するとともに、北朝鮮に対する安保理決議第1718号の速やかな履行を求めます。

(CTBT発効までに必要な措置にかかる我が国の取り組み)

 我が国はCTBT早期発効のため様々な努力をしてきました。我が国は毎年、CTBT批准の呼びかけを含む核廃絶に関する国連総会決議案を毎年提出し、圧倒的多数の支持を得てきております。我が国はこれまで200名以上の地震専門家をグローバル地震観測研修に招待した他、関連機材供与を実施しましたが、この関連で、トート事務局長を初めとするCTBTO準備委・暫定技術事務局による国際監視制度施設の整備を高く評価します。

(CTBTの発効に向けて)

 CTBTについては1995年NPT運用検討・無期限延長会議において合意された「核不拡散及び軍縮の原則と目標」にも明示的に言及されている核軍縮措置の一つです。CTBTの発効に向けて核兵器国である米国及び中国によるCTBT早期批准が極めて重要であることを強調したいと思います。この観点から、現在米国においてもCTBTに関する議論が活発化していることには大変勇気づけられます。また、NPTに加入していないインド、パキスタン及びイスラエルに対しても、CTBTの早期批准を求めます。更に、現在核実験モラトリアムを行っている全ての国に対し、その継続を求めます。先般我が国が議長国を務めたG8北海道洞爺湖サミットにおいても、核実験モラトリアムの重要性が首脳宣言に盛り込まれました。
 終わりに、全ての締約国が協力していくことの重要性を改めて強調したいと思います。
 ご静聴ありがとうございました。

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