平成20年6月12日
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カルザイ・アフガニスタンイスラム共和国大統領
サルコジ・フランス共和国大統領
パン国連事務総長
ご列席の皆様
はじめに、日本政府を代表して、仏政府、アフガニスタン政府及び国連が、今次会合の開催のために払った努力に対し敬意を表します。
先程、カルザイ大統領から、アフガニスタン国家開発戦略(ANDS)完成版に示された、包括的なアフガン政府の将来のビジョンを伺い、アフガニスタンの国民と政府の国造りに対する強い意志を感じました。同戦略の策定を歓迎し、アフガニスタン・コンパクトの目標達成に向け、我が国としても決意を新たにしました。
6年前、日本は、アフガニスタン国民の意志をいち早く支持し、東京で復興支援会議を主催致しました。今日までの間、我が国が種々の分野で行った支援は14.2億ドル以上にのぼります。更に、国際社会と共にテロとの闘いの一翼を担うとの観点から、インド洋上で海上阻止活動に対する補給支援活動に従事しています。
ご列席の皆様、
アフガニスタンの繁栄のためには、治安の安定、来年以降の選挙の実施を通じた国民から信頼される政府の構築、麻薬に依存しない健全な経済基盤の確立、そして近隣国との協力が必要です。先月私がカブールを訪問した際、カルザイ大統領及びスパンタ外相に対して、これらに対する取り組みをお願いし、両者から強い決意を表明いただきました。
かかる国造りを目指すアフガニスタンに対し、日本は揺るぎない支援を改めて表明します。そして、アフガニスタン・コンパクトの実施を最大限支援し、ANDSの実施を成功に導くため、この度、当面の間の支援として、新たに5.5億ドルの支援を行います。これに伴い、我が国の対アフガニスタン支援に係るプレッジ総額は20億ドルとなります。
これらの支援は、4つの柱、すなわち1)DIAGや警察支援をはじめとする治安分野改革、2)農業・農村開発をはじめとする地方総合開発、3)道路等のインフラ整備、4)教育分野への支援強化、に基づいて実施していきます。その際、アフガニスタン政府との調整を通じ、支援がより効果的に行われるよう努めます。また、NATOのPRTと連携した地域開発の支援も引き続き行っていきます。
ANDSの成功は、アフガン政府と国際社会の調整の強化、そしてアフガニスタンの民間セクターの力にもかかっています。調整については特にUNAMAのアイダ代表の尽力に期待し、支援していきます。また、今月末に京都で開催するG8外相会合でもアフガニスタンについて議論し、G8として治安と復興の両面にわたるアフガニスタン国家再建へのコミットメントの強化とテロとの闘いの観点からも重要なパキスタンとの国境地域の支援の強化を打ち出す考えです。
アフガニスタンの明日はまさにアフガニスタンの人々の双肩にかかっています。日本国民はアフガニスタンの人々が自らの未来を切り開こうとする努力に強く共感し、最大限協力していきたいと考えています。
ご静聴有り難うございました。