
高村外務大臣政策演説
貴重な水の有効利用のために
~安全な水と衛生施設へのアクセス拡大に向けて~
(骨子)
(於:平成20年2月22日 国連大学ウタント・ホール)
(全文)(参考資料(PDF)
)(英語版・仏語版(PDF)
)
水と衛生シンポジウム:「国際衛生年記念―『アフリカとアジアへの行動に向けたプラットフォーム』」(20分程度)
1.水の問題の意義
(1)あらゆる生命の源である水
- 水は人間の生命・健康の維持生態系の保全や経済活動に不可欠な資源。
- 都市化や途上国での急激な人口増加、気候変動は水の重要性を更に高める。
(2)稀少だが、循環する資源、偏在する資源である水
- 比較的容易に利用できる淡水である河川は、地球上の水資源全体の僅か0.0004%、地球全体でも富士山一杯分(1,400立方キロメートル)。
- 水は持続的利用が可能な循環型資源。
- 水は偏在する資源で必要な時、必要な場所で容易に入手できない。
- 水は人間の基礎的生活に欠かせない衛生施設とも密接に関係。
(3)水は分野横断的な問題
- 環境・気候変動、保健、教育、農業・食料、経済成長、防災、平和など多くの分野に関連。
- 水の問題への適切な対処は、広範な分野にわたり好影響をもたらす。
2.国際社会によるこれまでの取組
(1)国連ミレニアム開発目標(MDGs)
- 安全な飲料水と基本的な衛生施設へのアクセスができない人々の割合を2015年までに半減するという具体的な目標。
- 今年は、ミレニアム開発目標達成への中間年なるも、改善状況芳しくない(特にサハラ以南のアフリカ)。
(2)国連「水と衛生に関する諮問委員会」
- 国連事務総長の諮問機関である「水と衛生に関する諮問委員会」と「橋本行動計画」
(3)G8
- フランス・エビアン・サミット(2003年):水に関する行動計画。
(4)市民社会の取組
3.今、何をすべきか
(1)日本自身の経験から
- 水の有効利用の伝統と経験。そこから得た高い知見と技術。
- 水分野でのトップドナー。
(2)「水と衛生」の問題に取り組む際の重要事項。
- 循環型水資源管理を通じて水資源の持続的利用を追求すること。
- 我が国が有する水分野における高い技術と知見を世界の人々と共有していくこと。
- 人間の安全保障の実現のために安全な飲料水や基礎的衛生施設の利用、また手洗いのような生活習慣を改善すること。
- 水の問題への地球規模での取り組みを強化すること。
- 中央と地方との連携や官民連携など国内的にも国際的にも全員参加型の協力を推進すること。