談話・コメント

外務報道官談話

シリアの核問題に関するIAEA理事会決議の採択について

平成23年6月10日

  1. ウィーンで開催中のIAEA理事会において6月9日(木曜日),シリアの核問題に関する理事会決議が採択された(全理事国35ヶ国中、賛成17(我が国を含む),反対6,棄権11,欠席1)。
  2. 本決議は,シリアのデイル・エッゾール(Dair Alzour)における未申告での原子炉建設等がIAEA保障措置協定下の違反を構成することを認定し,
    IAEA全加盟国,国連安保理及び国連総会にシリアの保障措置協定違反を報告することを決定している。
  3. 我が国は,シリアが今回の決議を重く受け止め,IAEAに対して完全に協力し,事実関係が解明されることを強く期待する。また,そのためにも同国が追加議定書を署名・批准し,これを実施することが極めて重要だと考える。

参考)今次決議の主文のポイント

(1)シリアがデイル・エッゾールにおいて申告せずに原子炉を建設していたこと及び同国の補助取極コード3.1に基づく施設の設計情報の提供を怠っていたことは,同国のNPT保障措置協定第41条及び第42条への違反であり,IAEA憲章第12条Cの文脈におけるIAEA保障措置協定下の違反(non-compliance)を構成することを認定。
(2)1)事務局長を通じ,IAEA全加盟国,国連安保理及び国連総会にシリアの保障措置協定違反を報告すること,2)本件に関するすべての事務局長報告を国連安保理に提供すること,3)この決議及び本件に関するこれまでのすべての報告書を公開することを決定。
(3)シリアに対し,事務局長が保障措置協定に従って行われるシリアの申告の正確性及び完全性の両方に関し必要な保証を与えることができるよう,追加議定書に署名し,これをすみやかに発効させ完全に履行すること,それまでの間,追加議定書に従って行動することを要請。

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