談話・コメント

外務報道官談話

南部スーダン住民投票の開始

平成23年1月11日

  1. 我が国は,南部スーダンの分離独立を問う歴史的な住民投票が,9日(日曜日)より予定通り開始されたことを歓迎します。今回の住民投票は,2005年の南北スーダン包括和平合意(CPA)の集大成として,大きな意義を有するものです。

  2. スーダンにおける平和の定着を推進するためには,今回の住民投票が自由,公正,かつ平和裡に実施されることが重要です。このような観点から,我が国は,現地に派遣している我が国の監視団を通じて,関係国・機関との連携の下で,自由,公正,かつ平和裡の住民投票の実施の確保に寄与する考えです。

  3. 我が国としては,自由,公正,かつ平和裡な住民投票が行われる場合には,南北の当事者がその結果を受け入れ,スーダンにおける平和の定着のために,引き続きパートナーとして協調していくことを期待します。

【参考】

  1. スーダン南北和平の経緯と現状
    (1) スーダンでは,北部(アラブ系,イスラム教徒中心)と南部(アフリカ系,キリスト教徒等)の間で長年にわたる対立があり,1983年からは,北部政府と南部反政府勢力スーダン人民解放運動(SPLM)の間で20年以上にわたり内戦が継続。

    (2) 2005年,南北包括和平合意(CPA。本年7月失効)が成立し南北内戦が終結。これまでに統一政府・南部政府成立,憲法改正・南部憲法制定,南部住民投票法制定,総選挙実施等のCPAの履行が進んできた。今回の住民投票は,CPA履行の集大成と位置付けられる。また,約1万人規模の国連スーダン・ミッション(UNMIS)が展開中。

  2. 投票日程
    1月9日 住民投票開始
    1月15日 住民投票終了(投票期間延長の可能性あり)
    2月1日 暫定結果の発表(開票状況の進捗は1月19日から1日おきに発表される予定)
    2月6日頃 最終確定結果の発表(異議申し立てがなされた場合は,2月14日頃に発表)

  3. 有権者登録確定数(1月3日南部スーダン住民投票委員会南部事務局発表)
    北部:116,857人, 南部:3,755,512人, 在外:60,219人, 合計:3,932,588人

  4. 我が国による南部スーダン住民投票に対する支援
    (1)  昨年8月,有権者教育や資材調達等を支援対象として,同住民投票の実施に対する約817万ドルの緊急無償資金協力を実施済み。

    (2) 住民投票の自由かつ公正な実施を支援するため,国際平和協力法に基づき,住民投票監視団15名(団長:石井前駐スーダン大使)を12月下旬~1月中旬までスーダンに派遣中。派遣地域は,ジュバ及びハルツームの2ヶ所。

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