(参考)
(1)不信任国民投票の経緯
(イ)2006年1月に発足したモラレス政権は、貧富の格差の是正、先住民の権利拡大を目指し、憲法改正等の諸改革を推進。野党及び比較的豊かな東部4県はこれに反対し、地方自治の強化を要求。東部4県は、本年5~6月、独自の自治憲章制定の是非を問う県民投票を順次実施し、いずれも80%以上の賛成を獲得(但し、棄権率も概ね40%以上)する等、国を二分する政治的対立が激化した。
(ロ)対話の実現に反対勢力の支持が得られない中、モラレス政権は憲法改正のための国民投票を延期した。このような中、5月、野党が過半数を占める上院が、急遽、大統領、副大統領及び各県知事の不信任国民投票実施法案を可決し、モラレス大統領も同法案に署名、今般の不信任国民投票実施に至った。
同投票では、大統領及び副大統領に関しては、不支持率及び不支持票数が2005年12月の大統領選挙における支持率(53.7%)及び得票数を上回れば不信任、各県知事に関しては、不支持率が50%+1票を超える場合には不信任と定められた。
(ハ)ボリビア政府は、国際的な投票監視団の派遣を要請し、OASが監視団を、我が国を含む複数の国及びNGO等が別途独自に監視員を派遣した。
(2)投票結果概要(公式投票結果は未発表。以下は、ボリビアの世論調査会社の開票速報(11日))
(イ)モラレス大統領及びガルシア・リネラ副大統領:信任
支持63.1%、不支持36.9%
(ロ)ポトシ県知事及び東部4県(サンタクルス、ベニ、パンド、タリハ)知事:信任
(ハ)西部3県(ラパス、オルロ、コチャバンバ)知事:不信任
(3)投票終了後のモラレス大統領及び国内各勢力によるメッセージの要点
(イ)モラレス大統領:国民の団結が新憲法と自治憲章の両立を可能にする。信任された県知事の正統性を尊重し、対話と法の遵守を通じて共に働きたい。
(ロ)殆どの信任された県知事及び最大野党党首:国家的合意の達成と対話が必要。
(一部の県知事及び野党は、今次国民投票は問題の解決に資さない旨コメント。)