談話・コメント

外務報道官談話

ボリビアにおける不信任国民投票の実施について

平成20年8月12日
  1. 我が国は、ボリビアで10日、大統領、副大統領及び各県知事を対象とした不信任国民投票が平穏裡に実施されたことに祝意を表する。
  2. 我が国は、ボリビアの民主的・安定的発展を重視しており、ボリビアの国内各勢力が、民主主義に則り、対話を通じた問題の解決を図ることを強く期待する。

(参考)

(1)不信任国民投票の経緯

(イ)2006年1月に発足したモラレス政権は、貧富の格差の是正、先住民の権利拡大を目指し、憲法改正等の諸改革を推進。野党及び比較的豊かな東部4県はこれに反対し、地方自治の強化を要求。東部4県は、本年5~6月、独自の自治憲章制定の是非を問う県民投票を順次実施し、いずれも80%以上の賛成を獲得(但し、棄権率も概ね40%以上)する等、国を二分する政治的対立が激化した。

(ロ)対話の実現に反対勢力の支持が得られない中、モラレス政権は憲法改正のための国民投票を延期した。このような中、5月、野党が過半数を占める上院が、急遽、大統領、副大統領及び各県知事の不信任国民投票実施法案を可決し、モラレス大統領も同法案に署名、今般の不信任国民投票実施に至った。
 同投票では、大統領及び副大統領に関しては、不支持率及び不支持票数が2005年12月の大統領選挙における支持率(53.7%)及び得票数を上回れば不信任、各県知事に関しては、不支持率が50%+1票を超える場合には不信任と定められた。

(ハ)ボリビア政府は、国際的な投票監視団の派遣を要請し、OASが監視団を、我が国を含む複数の国及びNGO等が別途独自に監視員を派遣した。

(2)投票結果概要(公式投票結果は未発表。以下は、ボリビアの世論調査会社の開票速報(11日))

(イ)モラレス大統領及びガルシア・リネラ副大統領:信任
    支持63.1%、不支持36.9%

(ロ)ポトシ県知事及び東部4県(サンタクルス、ベニ、パンド、タリハ)知事:信任

(ハ)西部3県(ラパス、オルロ、コチャバンバ)知事:不信任

(3)投票終了後のモラレス大統領及び国内各勢力によるメッセージの要点

(イ)モラレス大統領:国民の団結が新憲法と自治憲章の両立を可能にする。信任された県知事の正統性を尊重し、対話と法の遵守を通じて共に働きたい。

(ロ)殆どの信任された県知事及び最大野党党首:国家的合意の達成と対話が必要。
   (一部の県知事及び野党は、今次国民投票は問題の解決に資さない旨コメント。)

このページのトップへ戻る
外務報道官談話 | 平成20年談話 | 目次へ戻る