談話・コメント

外務報道官談話

トルコ軍によるクルド労働者党(PKK)掃討のための
北イラクへの越境攻撃について

平成20年2月25日
  1. 我が国は、トルコ・イラク国境付近における最近の緊張の高まりを大変懸念している。
  2. テロは如何なる理由でも正当化されず、我が国は、PKKによる一連のテロ行為を強く非難するとともに、テロ行為に関するトルコ政府の深刻な懸念を理解する。
  3. 我が国としては、イラク当局が北イラクに潜伏するPKKのテロ行為を停止させるために適切に対応するよう、また、トルコが最大限に自制するよう求めるとともに、関係国の協力によって事態が速やかに沈静化することを期待する。

【参考1】トルコ政府及びイラク政府の対応

(1)2月21日、トルコ軍は、戦闘機及び長距離火砲により攻撃を行うとともに、地上軍部隊による北イラク越境作戦を開始した。地上軍の規模は明らかにされていないが、報道では約3000名~約1万名。トルコ軍は、作戦開始から4日間でPKK武装メンバーの死者は112人と発表。

(2)ババジャン外相は記者会見において、作戦はPKK掃討に限定されたものであり、トルコはイラクの主権と領土的一体性を尊重している旨強調。また、イラク政府に対して首脳レベルで、本件作戦はPKK掃討に限定されたものである旨説明したと報じられている。

(3)2月23日、イラク政府のダッバグ報道官は「軍事作戦でPKK問題は解決できない。別の解決策を採用すべきだ」と述べて、トルコ政府の自制を求めた。

【参考2】経緯

(1)2007年10月17日、トルコ国会は、PKKによるテロ攻撃で犠牲者が相次いだことを受け、北イラクに潜伏するPKKに対する越境攻撃を承認する内容の決議を採択した。

(2)2007年11月28日、トルコ軍は、政府から越境作戦実施の権限を付与された旨発表。2007年12月17日以降、複数回にわたってトルコ軍によるPKKに対する北イラクへの越境攻撃が行われた(規模、期間は限定的)。

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