談話・コメント

外務報道官談話

最近のパレスチナ情勢について

平成19年6月15日

  1. 我が国は、ファタハとハマスの対立の激化により、多数のパレスチナ人の死傷者が発生し、また挙国一致内閣が解散に至ったことを深く憂慮する。このような事態は平和を望むパレスチナ一般市民の生命を脅かし、「二国家解決」に基づく中東和平の実現への人々の希望に反するものである。
  2. 我が国は、こうした事態が和平プロセス再開への努力に悪影響を及ぼすことを強く懸念しており、全ての関係者に対し、直ちにパレスチナ内部での衝突を停止することを強く要請するとともに、アッバース・パレスチナ自治政府大統領の指導の下、早期に事態が収拾されることを強く期待する。
  3. 我が国は、引き続きアッバース大統領の和平努力を強く支持する。同大統領を目に見える形で支えるため、今般、大統領府を通じた直接支援を検討する旨表明したところである。

【参考】最近のパレスチナ情勢(日本時間6月15日午前9時時点での報道とりまとめ)

(1)パレスチナ自治区ガザ各地で11日から12日にかけ、アッバース自治政府大統領の支持基盤ファタハとハマスの部隊間の対立が激化。ハマス軍事部門は、ファタハ治安部隊本部を占拠するなど、武力衝突が本格化。

(2)12日夜、ヨルダン川西岸ラマッラでファタハの中央委員会が開催され、ファタハはハマスがガザ地区で戦闘を停止するまで、挙国一致内閣への参加を停止することを決定。

(3)14日、ハマスは、ガザ地区の大統領府等ファタハの拠点を制圧し、ファタハ系の治安部隊の全拠点を制圧した旨宣言。

(4)同日、これを受け、アッバース大統領は、ハマスが軍事クーデターを企てたとして、パレスチナ全自治区を対象に非常事態を宣言し、ハニーヤ首相を罷免、緊急事態内閣を組閣する旨発表。ハマスは受け入れ拒否。

(5)今回の衝突により、これまでに100名前後の死者が発生した模様。

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