平成19年5月21日
【参考】最近のイスラエル・パレスチナ情勢
(ファタハとハマスの衝突)
ファタハとハマスの衝突
(1)5月に入っても、パレスチナ、特にガザ地区の治安の悪化は継続。派閥間の衝突や、パレスチナ武装勢力によるイスラエルに対するロケット攻撃が継続。
(2)このような事態の悪化を受け、5月10日、アッバース大統領傘下の治安部隊がガザ地区に展開したところ、ハマスは右措置を非難し、ファタハとハマスの対立が再燃。13日より、ガザ地区において両派の武力衝突が発生し、14日、カワスミ内務庁長官(独立系)は、両派から十分な協力が得られないとして抗議し、辞任が確定(注:辞表提出は4月23日)。その後も両派の間で衝突と停戦が繰り返され、19日に、5度目となる停戦が発表されたが、依然予断を許さない状況。なお、アッバース・パレスチナ自治政府保健庁によると、13日から16日の間の衝突により47人が死亡、210名が負傷。
ハマスによるイスラエル攻撃及びイスラエル軍による軍事行動
(1)5月15日、ファタハとハマスの衝突が激しくなる中、再びハマス軍事部門はカッサーム・ロケットによるイスラエルへの攻撃を実施。同日から3日間で約40発のロケットがイスラエル領内に着弾し、イスラエル人約30人が負傷。
(2)これに対し、16日、イスラエル軍は、ハマス治安本部を空爆、少なくとも4人死亡、40名以上が負傷。また、17日には同軍の戦車数台が、ガザ地区北部に侵攻し、境界付近に展開。その後もハマスのカッサーム・ロケット攻撃とイスラエル軍による空爆は継続。イスラエル放送によると、イスラエル軍の攻撃による死者は30名を超える。20日にはイスラエル軍の空爆により、ハマス所属の国会議員家族8名が死亡した。
(3)20日、イスラエルの治安閣議では、ガザ空爆とハマス活動家の暗殺作戦強化を決定。