談話・コメント

外務報道官談話

東ティモールにおける国連ミッションの設立について

平成18年8月25日

  1. 8月25日(金曜日)(ニューヨーク時間同日)、国連安全保障理事会において、国連東ティモール統合ミッション(UNMIT : United Nations Integrated Mission in Timor-Leste)を設立する安保理決議が全回一致で採択されたことを歓迎する。
  2. 我が国は、同ミッションが、国造りにおける東ティモール自身の努力を効果的に支援していくことを期待する。
  3. また、我が国も、東ティモールの国造りを引き続き支援していく。

【参考1】我が国の対東ティモール支援

  1. 4~5月の治安悪化に対する緊急支援

     首都ディリを中心に発生した国内避難民支援に関する国連緊急アピールに対し、ドナー中最大規模の500万ドルの支援を実施。(6月13日(金曜日)、拠出表明、7月7日(金曜日)、各国際機関への実施決定。)

  2. これまでの対東ティモール支援

     我が国は、東ティモール独立前の1999年以来同国の自立に向けた国造りへの努力に対して積極的に支援を行ってきている。

    (1)経済協力(金額ベース)
     1999年~2002年:約1億3千万ドル
     2002年~2005年:約6千万ドル
     2005年度以降:約2千万ドル

    (2)重点4分野:教育・人材育成・制度づくり、インフラ整備・維持管理、農業・農村開発、平和の定着。

    (3)自衛隊の派遣:02年4月~04年5月まで、自衛隊施設群延べ2,304名を国連PKOミッション(UNMISET)に派遣。道路・橋梁の維持補修等の後方支援業務や民生支援業務を実施。

【参考2】UNMIT設立の経緯

 本年4、5月の同国における騒乱を受け、特に治安分野における国連の役割を強化した新国連ミッション設立の必要性が高まった。安保理等での議論を経て、東ティモール国連事務所(UNOTIL)の後継ミッションとして、本ミッションが設立された。同国の独立以後の国連ミッションの変遷は次のとおり。

UNMIT設立の経緯
年月 経緯
1998年6月 国連東ティモール・ミッション(UNAMET)設立
1998年8月 独立についての直接投票実施
1998年9月4日 結果発表→独立反対派の破壊活動
1998年9月 多国籍軍(INTERFET)設立
1998年10月 国連東ティモール暫定行政機構(UNTAET)設立
2002年4月 大統領選挙実施(シャナナ・グスマン氏当選)
2002年5月 国連東ティモール支援団(UNMISET)設立
2002年5月20日 東ティモール民主共和国独立
2002年9月 国連加盟
2005年5月20日 国連東ティモール事務所(UNOTIL)設立
2006年5月20日 UNOTILの期限を1ヶ月延長。←治安悪化
2006年6月20日 UNOTILの期限を2ヶ月延長。
2006年8月18日 UNOTILの期限を8月25日まで延長。
2006年8月25日 国連東ティモール統合ミッション(UNMIT)設立

【参考3】UNMITの任務

 UNMITは、当面6ヶ月間(延長可)、東ティモール警察が再建されるまでの間、治安維持を担うほか、ガバナンス強化、国民和解の促進、2007年大統領選挙・議会選挙の実施、軍・警察の訓練、開発等の分野において東ティモールを支援する。構成は、事務総長特別代表の下、国連警察1608名、32名の軍事連絡要員、適当数の文民等。軍事部隊の扱いについては、10月25日までに事務総長が報告書を安保理に提出し、再度安保理で議論される。

【参考4】議題リード国

 我が国は、安保理における、東ティモールに関する議題リード国として、これまで安保理議長声明及び安保理決議案等に関する各国意見の調整を行ってきた。今回の本件決議についても、決議案の起案及び調整において主導的な役割を果たした。

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