談話・コメント

外務報道官談話

ベラルーシ共和国大統領選挙について

平成18年3月22日

  1. 3月19日(日曜日)に行われたベラルーシ大統領選挙については、わが国の監視員も参加する欧州安全保障協力機構/民主制度・人権事務所(OSCE/ODHIR)国際監視ミッションが派遣された。同ミッションは、20日(月曜日)、国営メディアの偏向、当局による選挙運動の制限など、民主的選挙に関する国際的な基準を満たすものではなかったとの報告を行った。わが国の監視員からも、集計監視活動の妨害等、種々の問題点が指摘されており、わが国としてもOSCEの報告で示された見解を共有する。
  2. わが国としては、今次選挙において民主的選挙の原則に反する行為が数多く見られたことは遺憾であり、ベラルーシ当局に対し、民主主義の原則を確保することを求めるとともに、引き続きベラルーシの民主化を促すべく可能な支援と働きかけを行っていく所存である。

(参考1)

ベラルーシ大統領選挙投票結果(20日中央選管発表)投票率:94.2%
 第1位 ルカシェンコ大統領:82.6%
 第2位 ミリンケヴィチ野党統一候補:6.0%
 第3位 ガイドゥケヴィチ自民党党首:3.5%
 第4位 カズーリン社民党「グラマダ」党首:2.3%

(参考2)

我が国選挙監視員の派遣
 わが国は、在ベラルーシ大使館および在ポーランド大使館より館員計4名をOSCE/ODHIRの選挙監視ミッションに派遣した。

(参考3)

OSCE選挙報告の内容

(1)「有権者は4名の候補者の間から真に選択する可能性を与えられながら、民主的選挙のためのOSCEコミットメントを満たさなかった。」と批判。

(2)野党の候補者および支持者の拘束、メディア統制、退学・免職処分の示唆による有権者の政治的活動の制限、選挙管理委員会への多くの公務員の登録等、数多くの問題点を指摘。

(参考4)

各国・国際機関の反応

(1)米国(20日(月曜日)国務省定例記者会見):「19日(日曜日)に発表されたベラルーシ大統領選挙の結果を正当なものとして受け入れることは不可能である。米国はこの選挙における不正行為及び人権侵害に責任を有する政府関係者に対し、重大かつ適切な措置をとる。」旨表明。

(2)EU(20日(月曜日)EU総務・対外関係理事会の記者会見):(OSCEによる上記報告について)「EUとしても右見解を共有しており、ベラルーシ選挙の過程に責任を持つ個人を対象とする制限的手段に関する討議を行っている」旨表明。

(3)露(20日(月曜日)露外務省声明):「選挙は一般に認められた基準に従って実施されたものであり、選挙結果の正当性には何の疑いもない」旨表明。

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