談話・コメント

外務報道官談話

カンボジア野党議員に対する恩赦について

平成18年2月6日

  1. 昨年2月、カンボジア議会において、野党サム・ランシー党議員の不逮捕特権の一時停止が採択され、その後海外に滞在していた同党のサム・ランシー党首および禁固刑に服していたチアム・チャンニー議員をめぐる一連の事態につきわが国としても懸念してきたところであるが、今般、両名に対し国王による恩赦が付与され、両名を巡る問題がカンボジア人同士の平和的な話し合いにより解決に向け動き出したことを歓迎する。
  2. わが国は、カンボジアが人権および民主主義を尊重した形で発展していくことを希望しており、今後も同国の情勢を注視していく考えである。

(参考)

(1)ラナリット国民議会議長およびフン・セン首相がサム・ランシー党首を名誉毀損で提訴したことを受け、昨年2月3日(木曜日)、議会において同党首を含む野党議員3名の不逮捕特権の一時停止が採択された。以来、サム・ランシー党首は海外に滞在し、政府批判を展開、また、同党チアム・チャンニー議員は違法な擬似軍事部隊を組織した容疑で逮捕され、軍事裁判所に移送された。

(2)昨年8月、軍事裁判所はチアム・チャンニー議員に対し7年の禁固刑を言い渡した。また、同年12月22日(木曜日)、プノンペン市地裁においてサム・ランシー党首に対する公判が被告人欠席のまま開かれ、禁固18ヶ月と罰金および慰謝料の支払いを命じる判決が言い渡された。

(3)これら一連の事態に対し、西側諸国や人権担当国連事務総長特別代表、人権団体等は懸念を表明してきた。

(4)今月3日(金曜日)、サム・ランシー党首がフン・セン首相およびノロドム・ラナリット国民議会議長宛に謝罪文を発出したことを受け、5日(日曜日)、フン・セン首相がサム・ランシー党首およびチアム・チャンニー議員の恩赦を要請する書簡を国王宛に発出、同日国王は両名に対する恩赦を付与した。

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