
外務報道官談話
レバノンにおける政治家暗殺事件について
平成17年12月13日
- 12月12日(月曜日)午前(日本時間同日夕刻)レバノンの首都ベイルート郊外で発生した車両爆弾事件において、レバノン言論界の有力者であるジュブラン・トウェイニー国会議員が殺害されたことを非難する。この事件で亡くなられた方々およびそのご遺族に哀悼の意を表するとともに、負傷者の方々に心からお見舞いを申し上げる。テロはいかなる理由においても正当化できず、わが国は、多くの罪のない人々を犠牲にする残虐なテロ行為を改めて断固として非難する。
- レバノンの政治的安定は中東地域の平和と安定にとり不可欠であるとのとの観点から、わが国はレバノンの情勢を注視してきており、今後とも本件の推移に注目していく考えである。
(参考)
- 12月12日午前9時(現地時間)、ベイルート東郊のムカッレス地区の道路脇に駐車していた、爆弾の仕掛けられた車両が、ジュブラン・トウェイニー議員(反シリア系のナハール新聞社会長)が乗車していた車両を標的に爆発し、3名が死亡、10名以上が負傷する事件が発生。
- レバノンにおいては、今年2月のハリーリ元首相暗殺事件以降、13件の暗殺・爆破テロ事件が、主としてベイルート市内および近郊のキリスト教徒地区で発生してきており(政治家・ジャーナリストを標的とした暗殺・暗殺未遂事件としては6件目)、いずれの事件も犯人は検挙されておらず、犯行声明も出されてこなかった。今次車両爆破事件では、事件発生後に「大シリア統一と自由のための戦士」と名乗る組織が犯行声明をベイルート駐在の報道機関に送付した旨が各紙で報じられているものの、信憑性は不明。