
外務報道官談話
わが国小型武器決議案の国連総会本会議での採択について
平成17年12月9日
- 12月8日(木曜日)(日本時間9日(金曜日))、わが国が南アフリカおよびコロンビアと共同で提出した小型武器非合法取引に関する決議案が、ニューヨークでの国連総会本会議において、無投票(コンセンサス)で採択されたことは喜ばしい。
- わが国は、紛争後の人道支援、復興支援に対する障害を取り除くためにも、小型武器問題に国際社会が一丸となって取り組む必要を強く認識し、1995年にブトロス・ガーリ国連事務総長(当時)が小型武器問題を国際社会に提起して以来、ほぼ毎年、国連総会に小型武器決議案を提出し、問題解決のための道筋を提示してきた。本年決議案は、来年開催予定の国連小型武器行動計画履行検討会議の成功に向けた関連イニシアティブの奨励、トレーシング国際文書の各国による履行の呼びかけ、ブローカリング政府専門家会合の設置等を内容としており、小型武器問題への取り組みに積極的に貢献するものとして、国際社会の幅広い支持を得たものである。
- わが国としては、今後も、小型武器非合法取引の防止に向けて積極的に取り組んでいく所存である。
(参考)
トレーシング国際文書:トレーシングとは、紛争地において、非合法に流通している武器を回収あるいは押収した場合、それらの武器が如何なるルートにて、武器製造国あるいは輸出国から流出したかを追跡すること。2004年6月より、国連において作業部会が開催され、2005年6月に「非合法小型武器の特定と追跡(トレーシング)に関する国際文書(仮称)」草案を巡る交渉が妥結し、政治文書として国連総会に報告することでコンセンサスが得られた。
ブローカリング(仲介):非合法に小型武器取引を仲介する者を規制しようとする取組について議論されており、2004年及び2005年に、国連軍縮局が主催して国連加盟国が参加する非公式協議が数回行われた。