
外務報道官談話
イスラエル中部ハデラ市における自爆テロについて
平成17年10月27日
- 10月26日(水曜日)午後4時頃(現地時間。日本時間:同日深夜)、イスラエル中部のハデラ市においてパレスチナ過激派による自爆テロが発生したことを強く非難する。テロはいかなる理由によっても正当化できない。ご遺族に哀悼の意を表するとともに、多数の負傷者の方々に心からお見舞い申し上げる。
- 今次テロ事件は、イスラエルによるガザおよび西岸の一部からの撤退完了以降、イスラエル・パレスチナ両当事者が真摯な和平努力を重ねている中で発生したものであり、今後の和平プロセスの進展に悪影響をおよぼすことを強く懸念する。
- わが国は、パレスチナ自治政府が過激派の取締りに最大限の努力を払うことを求める。また、イスラエル政府に対し、最大限の自制をもって対応することを期待する。
(参考)
- 10月26日(水曜日)午後4時頃(現地時間:日本時間では同日午後11時頃)、イスラエル中部のハデラ市(テルアビブの北方約40キロメートル)中心部の青空市場において自爆テロがあり、少なくとも5名が死亡、約30名が負傷した(うち重傷者5名)。過激派組織のイスラミック・ジハードが犯行声明を発出し、本件攻撃は24日に西岸における同組織武装グループの最高幹部が殺害されたことに対する報復である旨表明。イスラエル政府およびパレスチナ自治政府ともに今次テロを強く非難。イスラエルにおける自爆テロは本年8月28日以来。
- 9月12日、イスラエルはガザ地区等からの撤退を完了し、その後、両当事者は、真摯な和平努力を重ね、当初10月10日にシャロン・イスラエル首相とアッバース・パレスチナ自治政府大統領の首脳会談を開催すべく調整していたが、直前に至って10月下旬乃至11月に延期され、改めて右開催に向けた調整努力が行われていた。
- 一方、イスラエル軍とパレスチナ過激派との間の衝突は、ここ数日エスカレートする傾向にあった。10月24日の銃撃戦でイスラエル軍はイスラミック・ジハード武装グループの西岸地区最高幹部ルアイ・サアーディーを含むパレスチナ人武装活動家2名を射殺したのに対し、24日夜、少なくとも5発のカッサム・ロケット砲がガザ北部からイスラエル領(スデロット市)に向けて発射された。右を受けて、25日、イスラエル空軍は、ガザ北部を空爆するとともに、カッサム・ロケット砲の発射台が所在する場所に砲撃を加えた。