談話・コメント

外務報道官談話

イランの核問題に関するIAEA特別理事会決議の採択について

平成17年8月12日

  1. わが国は、8月11日、ウィーンにて開催された国際原子力機関(IAEA)特別理事会において、イランの核問題に関する決議が無投票で採択されたことを、国際社会が一致して明確なメッセージを発出したものとして歓迎するとともに、イランが今回の決議を重く受け止めて真摯に対応することが極めて重要であると考えている。
  2. わが国は、イランが、ウラン転換活動を含め、すべてのウラン濃縮関連・再処理活動の例外なき停止をはじめとする、累次のIAEA理事会決議のすべての要求事項を誠実に履行することを引き続き強く求める。

(参考)

1.決議のポイント

(1)イランがイスファハンのウラン転換施設(UCF)におけるウラン転換活動を再開することを決定したとの2005年8月1日のIAEAに対する通告、イランが同施設における加工ラインの第一工程にウラン精鉱(UOC)を注入し始めたとの8月8日の事務局長の報告、ならびに、イランが同施設の加工ラインおよび四フッ化ウラン(UF4)の封印を解除したとの8月10日の事務局長の報告に対し、深刻な懸念を表明する(expresses serious concern)。

(2)事務局長によって報告される進展がもたらす状況を是正すること、および、その状況に関する更なる議論を認めることの重要性を強調する(underlines)。

(3)イランに対して、過去の理事会決議において要求されたのと同様に自主的かつ法的拘束力がないものとして、ウラン転換施設(UCF)における試験や生産等を通じた原料物質の生産を含むすべてのウラン濃縮関連活動の完全な停止を再度行うこと(re-establish)、および、事務局長に対して、同施設において解除された封印を再度施すことを許可するよう求める(urges)。

(4)事務局長に対して、状況を注視し続けるとともに、今後のいかなる進展をも然るべく理事会に報告するよう要請する(requests)。

(5)事務局長に対して、2005年9月3日までにイランのNPT保障措置協定および本決議の実施に関する包括的な報告(a comprehensive report)を提供するよう要請する(requests)。

(6)本件について引き続き把握しておくことを決定する(decides)。

2.累次のIAEA理事会決議の主な要求事項

(1)過去の活動に関する完全な情報開示を含むIAEAとの協力

(2)追加議定書の締結、完全履行、暫定実施

(3)全てのウラン濃縮関連・再処理活動の停止

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