経済

シンポジウム
「サービス貿易交渉が開く新たなビジネス・チャンス
~WTO・EPAサービス貿易交渉の意義と効果~」
(概要と評価)

平成21年3月

(写真)

1.日時・場所

 3月18日(水曜日)16時00分~17時45分

2.発表者

パネリスト(発言順):

モデレーター:

3.議論の概要

(1)パネリストの発表等

(イ)高岡経済局参事官:

 WTOドーハラウンド交渉・EPA交渉ともに、農業、非農産品市場アクセスに大きな焦点が当てられる傾向にあるため、サービス分野の交渉は静かに行われており、目立ちにくいとの印象が一般的にあるが、実はサービスは日本の経済の7割を占めているので、この分野での海外市場アクセス拡大の努力を積極的に進めていくことが重要である旨発言した上(外務省配付資料(PDF)PDF)、4人のパネリストによる説明に入った。

(ロ)山﨑信吾富士通株式会社グローバルビジネス本部長代理:

 顧客企業がITに求める価値がモノからサービスへシフトしている事、且つ絶え間ない技術革新により、常に新しいサービスが生み出されている事を説明。そうした環境の下、益々グローバル化するITサービスビジネスにおける挑戦及び課題について事例(情報サービス企業向けのIT管理、商社向けのオフショア開発)を交えて解説(富士通配布資料(PDF)PDF)。

(ハ)松下勝男社団法人日本損害保険協会国際部長:

 海外展開を行う上での主要国の障壁に政府及び各国の損保協会の連携によって対処していること、並びに規制の国際的な調和の必要性等について説明。また、保険は社会的なインフラ機能を担っており、その対外直接投資(FDI)には長期的、安定的な特徴点がある旨説明(損保協会配付資料(PDF)PDF)。

(ニ)荒木一郎横浜国立大学教授:

 金融危機の発生等により「新自由主義」への信頼が揺らいでいる中で、サービス交渉を今まで通り進めていくことにどんな意味があるのかとの考えもあろうが、そもそもWTOを「新自由主義」の牙城ととらえる見方には無理がある。「新ブレトンウッズ会議」を開いて世界経済体制全体をゼロから見直すことが現実的でない以上、EPAへの取り組み等についても、出来上がったGATSの枠組みの中で考えざるを得ないのではないか。

(ホ)小田正規公共政策プラットフォーム(プラトン)理事・事務局長:

 今後の交渉のポイントとして交渉の優先順位付け、モデル協定の活用、新サービス分類への積極的貢献の必要性について説明(小田氏配付資料(PDF)PDF)。

(2)質疑応答

 参加者からIT分野での障壁や金融分野での信用秩序維持等に関する質問が出され、パネリストより回答を行った。

4.評価

 サービス貿易に焦点を当てたシンポジウムはしばらく開催されていなかったが、今次シンポジウムにおいては、産業界、学会、政府関係者から100名を超える参加者を得てサービス交渉を巡る様々な論点につき、パネリストから問題提起がなされ、サービス貿易交渉の意義と効果について参加者の理解を深めることが出来た。

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