
WTOサービス・クラスター会合(10月5日~9日)の概要
平成21年10月9日
- 10月5日(月曜日)から9日(金曜日)までジュネーブにおいて、2009年に入って3回目のWTOサービス・クラスター会合(注)が開催された。今回の会合においては、サービス貿易理事会特別会合、定例会合、4つすべての下部組織(国内規制作業部会、GATSルール作業部会、特定約束委員会、金融サービス委員会)の会合に加え、2つの分野別フレンズ会合(建設、郵便・クーリエ)が開催された。また、3月から4月及び6月に開催された前2回のクラスター会合においては二国間協議をほとんど行なかった自由化推進派諸国も含め、主要国間で多くの二国間協議が行われた。
- サービス貿易理事会定例会合の場では、建設サービスに関してWTO事務局が作成した分析ペーパーが議論されたこともあり、我が国が議長を務める「建設フレンズ会合」を開催した。同会合においては、関心国に対する要望事項とその要望に応える関心国側の対応とのギャップについて、今後各関心国ごとに精査して、今後の交渉に備えることとした。
- 次回クラスター会合は、11月上旬に2週間開催されることとなった。第1週目に定例会合を、第2週目に交渉会合が行われる予定。主要分野についての分析ペーパーを巡る議論は11月会合では行わず、交渉に関連する論点に焦点を当てて議論することになった。
- 今回のクラスター会合は、11月の次回クラスター会合に向けた準備と位置づけられていたこともあり、次回会合の際に本国の専門家の参加を得てできる限り本格的な市場アクセス交渉が実現できるよう、我が国から主要関心国(中国、インド、ブラジル、ASEAN各国)に対して働きかけを行った。主要関心国の中には、「農業やNAMA(非農産品市場アクセス)の交渉が進まない限りサービス交渉も進められない」といった指摘もあったものの、前2回のクラスター会合時と比較すると、各国とも市場アクセス交渉に対してきちんと対応する用意をしつつあるとの兆候が見られた。また、推進派の間でも交渉の進め方に関して議論が行われ、情報交換の場として各種フレンズ会合の有用性を否定するものではないものの、二国間協議を今後の交渉の中心とし、成果を明確な形で出していく必要性について認識は広まってきている。
(注:WTOサービス交渉に関連する各種会合をまとめて開催しており、これらの会合を一括して「サービス・クラスター会合」と称している)