経済

WTOドーハ・ラウンド
農業・NAMA(非農産品市場アクセス)に関する改訂議長テキスト発出

平成20年2月9日

  1. 2月8日(ジュネーブ時間)、ファルコナー農業交渉議長及びステファンソンNAMA(非農産品市場アクセス)交渉議長により、農業及びNAMAのモダリティ(注:関税削減等に関する方式)に関する改訂議長テキストが発出された。昨年秋以来の実務レベルの議論が反映されたものだが、関税削減に係る数字等「主要な数字」については7月時点のテキストと同じ幅のある案が基本的には維持され、今後の議論に決着が委ねられた形となっている。
  2. 議長テキストの個別論点についてはテキストを更に精査する必要があるが、とりあえず申し上げれば、

    (1)農業については、上限関税について引き続き言及がないことは評価できるが、重要品目の数等引き続き我が国にとって厳しい内容も含まれている。

    (2)NAMAについては、現段階でコンセンサスが無いと判断される事項に括弧を付すなど、今後議論すべき点を明確化しているが、特に関税削減フォーミュラに対する我が国の基本的立場に照らして、引き続き改善の必要な内容となっている。

  3. いずれにせよ、今回改訂テキストが出たことにより、交渉はいよいよ正念場を迎えることとなる。今後は、モダリティ合意に向けて交渉を加速していくことが肝要であり、我が国としても、必要な点については具体的な修正を求めていきながら、交渉に積極的に参加していきたい。
  4. また、モダリティ合意の際には、サービスやルールなど他の分野の進展を図っていくことも重要である。我が国としては、積極的かつバランスのとれた合意を得て、交渉が年内に妥結するよう、引き続き精力的に取り組みを進めていく考えである。

(参考)今後のラウンド交渉の見通し

 今次改訂議長テキスト発出を受け、まずは交渉グループ別に検討を行った上で、農業・NAMAを一緒に扱う水平的なプロセスが行われる予定。イースター(3月23日)頃には、モダリティ合意のための閣僚会合開催を目指ざす。


【参考】

農業・NAMA改訂議長テキスト(2008年2月8日)の概要

1.農業改訂議長テキスト

(1)今回の改訂テキストの特徴

(2)我が国にとっての主要事項

2.NAMA改訂議長テキスト

(1)関税削減フォーミュラ

【モダリティ案】

(2)途上国の柔軟性(「パラ8の柔軟性」)

【モダリティ案】

(a)途上国については、以下の柔軟性が認められる。

(i)品目数の[ ]%かつ輸入額の[ ]%までについて、フォーミュラが適用される場合の削減幅の半分までの削減緩和

または、

(ii)品目数の[ ]%かつ輸入額の[ ]%までについて、非譲許維持またはフォーミュラ適用免除

(b)[この柔軟性を適用しない国は、途上国係数に[3~5]を上乗せ。]

【議長コメント】

(3)品目カバレッジ(NAMA交渉対象品目の範囲)

【モダリティ案】

【議長コメント】

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