G7 / G8

G8外相非公式夕食会(概要)

平成18年9月22日

 9月22日(金曜日)19時30分~21時30分、ニューヨークにおいて開催されたG8外相非公式夕食会の概要以下の通り。(本会合は、例年、国連総会の一般討論演説の際に行われているものであり、本年は議長国露のラブロフ外相が主催。G8各国から外務大臣が出席。日本から西田外務審議官が代理出席)。

1.中東

(1)9月20日にニューヨークで開催されたカルテットの共同声明に沿って、(イ)イスラエルとパレスチナの間の手詰まり状況を懸念すること、(ロ)アッバス大統領の挙国統一内閣形成に向けた努力を歓迎すること、(ハ)パレスチナ支援の更なる充実が必要であること、(ニ)ロードマップへのコミットが必要であることにつき認識の一致があった。

(2)また、レバノンの人道状況に懸念を表明すると共に、国際社会が引き続ききちんと支援を行っていかなければならない旨、レバノンの安定のためにもセニオラ首相による政府をしっかりと国際社会が支えていかなければならない旨の意見が出された。

2.イラン

(1)(イ)ソラナ代表による交渉を強く支持すること、(ロ)本件の外交的解決の為に全力を尽くすこと、(ハ)安保理決議1696の速やかな履行が重要であり、その為にはイランは速やかに対応をしなければならないこと、(ニ)国際社会が協調してイランにしっかりとしたメッセージを送っていく必要があること、(ホ)イランが迅速に然るべき対応を行わない場合には、安保理決議1696に沿ってしかるべき措置を検討していかなければならないことといった点に関し認識の一致があった。

(2)我が方より、(イ)イランが安保理決議1696に従い、速やかに全ての濃縮関連・再処理活動を停止し、交渉のテーブルに戻ることを強く希望している、(ロ)その為に日本としてもイランに対して今後とも働きかけを行っていきたいと考える、(ハ)ソラナEU代表の努力を支持する、(ニ)安保理決議に示されたデッドラインから考えると、イランの速やかな対応が必要となっており、その点について国際社会が協調してイランに働きかけを行っていかなければならない旨発言した。

3.北朝鮮

(1)我が方より、(イ)我が国は、安保理決議1695のフォローアップとして豪州及び米国と協調して金融措置を実施したところであり、今後とも国際社会に対して安保理決議1695のフォローアップの重要性について働きかけていきたく、G8諸国にもそのような対応を期待する、(ロ)北朝鮮が核実験を行う可能性につき、具体的な情報があるわけではないが、その可能性は排除されず、仮に核実験が行われた場合、北東アジアのみならず国際社会にとって大きな脅威であり、G8としてもこの問題について引き続ききちんと取り組んでいくことが必要、(ハ)新政権発足後も拉致問題は最重要課題の1つであり続けるところ、引き続き関係国の支援を得たい旨発言した。

(2)これに対し幾つかの国から、イランと同様、北朝鮮についても安保理決議の実施が重要であり、この点について国際社会が一致したメッセージを送っていく必要がある旨、拉致問題についてはサミットの議長総括にも記載されているところ、G8としても今後も拉致問題解決に向けた取り組みを支持していきたい旨発言があった。

4.アフガニスタン

 アフガニスタン復興につき進展が見られるものの、南部の治安状況や麻薬問題等、課題は引き続き多く、国際社会が一致して対応することの重要性について認識が一致した。

5.イラク

 9月18日にイラク関係の外相会合が行われたが、イラク・コンパクト作成に向けたロードマップをG8が先導して支えていかなければならないといった意見が出された。

6.その他

 その他、コソボ、スーダン・ダルフール情勢について問題提起があった。

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