平成21年3月
国際通貨基金の機能を強化することを目的として、基本票の増加、理事代理の増員、基金の投資権限の拡大等を行うための改正について定める。
国際通貨基金(IMF)において、IMFが抱える様々な課題に対処すべく、改革について検討が行われてきた結果、2008年4月28日に基本票の増加及び理事代理の増員を目的とする協定改正案、5月5日にIMFの投資権限の拡大等を目的とする協定改正案が、それぞれ総務会において承認された。
(1)総投票数のうち、出資額にかかわらず各加盟国に平等に配分される基本票数を現在の各国それぞれ250票から3倍の750票に増加させるとともに(これにより、総投票数に占める基本票数の割合は5.502%となる。)、総投票数に占める基本票数の割合を今後更なる増資が行われる場合にも5.502%で維持する。
(注)総務会等における各国の投票権数は、基本票数(現行各国それぞれ250票)と出資額に基づく票数の合計。累次の増資により出資額に基づく票数が拡大。
(2)一定数を超える加盟国を代表する理事が2名の理事代理を任命できるようにする(現行では1名のみ。)。
(3)IMFが採択する規則等に従い、IMFが保有する加盟国の通貨を当該加盟国の国債等以外にも投資のために使用できるようにする(現在、IMFによる加盟国通貨の運用は、対象が国債等に限られている。)。
また、IMFが取得した金(注)を売却して得られた利益の投資への使用を容易にする。
(注)協定の第二次改正後(1978年4月1日発効)に取得した金が対象。
(1)本改正は、併せて行われる増資の発効要件の一つであるため、4月2日の次回金融・世界経済に関する首脳会合及び4月25日の国際通貨金融委員会(IMFC)においてIMFの資金基盤強化が議論されることを見据え、我が国としては、本改正を早期に受諾し、他国にも早期の受諾を促すことは極めて重要である。
(2)基本票の増加や理事代理の増員は、2008年11月15日の金融・世界経済に関する首脳会合宣言で提唱されているブレトン・ウッズ機関における途上国の投票権及び参加の強化に資するものである。
(3)近年IMFの財政は深刻な状況にあり、安定的な歳入構造の確立が緊急かつ重要な課題となっているため、本改正は、投資権限の拡大等によりIMFの歳入基盤の強化に資するものとなる。
7か国(クロアチア、デンマーク、フランス、インド、モンテネグロ、ノルウェー、スイス)が受諾済み(2008年12月現在)。