条約

「包括的な経済上の連携に関する日本国及び東南アジア諸国連合構成国の間の協定」について
(略称:日・ASEAN包括的経済連携協定)

平成20年6月

 我が国及びASEAN構成国の間の経済上の連携を図るため、物品貿易の自由化及び円滑化、広範な分野での協力等について定める。

1.背景

年月 背景
2002年1月 小泉総理(当時)がASEANとの包括的経済連携構想を提案
2003年10月 日・ASEAN首脳会議において、日・ASEAN包括的経済連携構想の枠組みを採択
2005年4月 交渉開始
2007年8月 主要点について大筋合意を達成
2007年11月 交渉妥結について、日・ASEAN首脳会議で歓迎
2008年3~4月 日・ASEAN各国が持ち回りで署名

2.本協定のポイント

(1)我が国及びASEAN構成国の間の物品貿易を自由化及び円滑化する。

(2)知的財産分野及び農林水産分野(違法伐採対策を含む)等での協力を促進する。

(3)サービス貿易の自由化、並びに投資の自由化及び保護について今後交渉を行う。

3.締結の意義

(1)ASEANとの戦略的関係の強化

 ASEAN各国との二国間EPAのみならず、我が国初の複数国間のEPAとして、ASEAN地域にまたがるEPAを締結することを通じて、ASEANの一体性を尊重した形でASEANの統合を支援し、ASEANとの戦略的関係の強化に寄与することができる。

(2)日・ASEAN域内全体の生産ネットワークの強化

 本協定により、原産地規則における累積規定(例えば、タイで日系企業が生産を行う際に、日本から輸入して調達した部品がタイの原産材料とみなされるというルール)が日本及びASEAN域内で適用される。

 現在、多くの日系企業が、日本及びASEAN各国で工程を分ける企業内・工程間分業を実施している。本協定の締結による原産地規則における累積規定が適用される結果、これら日系企業は、幅広い材料調達を行っても、生産する産品を本協定による特恵税率の対象とすることが容易となり、その結果日本及びASEAN域内における物品の流通の拡大が期待できる。これは、日・ASEAN域内全体の生産ネットワークの強化に資するものである。

(3)我が国の経済連携戦略の着実な実施

 日・シンガポール(2002年11月発効、2007年9月改正議定書発効)、日・メキシコ(2005年4月発効)、日・マレーシア(2006年7月発効)、日・フィリピン(2006年9月署名)、日・チリ(2007年3月署名、同9月発効)、日・タイ(2007年4月署名、同11月発効)、日・ブルネイ(2007年6月署名(2008年5月国会承認))、日・インドネシア(2007年8月署名(2008年5月国会承認))に続く我が国9つ目のEPA。

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