条約

「投資の自由化、促進及び保護に関する日本国とカンボジア王国との間の協定」について
(略称:日・カンボジア投資協定)

平成20年1月

 カンボジアとの間の投資の自由化、保護等について定める。

投資協定とは、一方の締約国(例:日本)の投資家(企業等)が他方の締約国(例:カンボジア)において投資財産(企業、証券、不動産等)の取得・運用等を行う際に最恵国待遇や内国民待遇を保証するとともに、送金の自由や収用の際の補償の条件等を定め、投資家の投資活動を保護・促進するものをいう。

1.背景

 2006年12月:浅野外務副大臣及び山本経済産業副大臣がカンボジアを訪問し、フン・セン首相と会談。交渉開始を決定。
 2007年1月:第一回交渉(於プノンペン)
 2007年3月:第二回交渉(於プノンペン)
 2007年6月14日:フン・セン首相訪日時に、安倍総理とフン・セン首相が協定に署名。

2.協定のポイント

(1)本協定は、我が国が近年締結した投資協定及び経済連携協定(EPA)の投資の章と同様に、投資財産の保護のみならず、投資の自由化に関して規定を置き(即ち、1)投資の許可段階の内国民待遇の原則供与(第2条)、2)締約国による投資家との契約遵守義務(第4条)、3)現地調達要求、技術移転要求をはじめとする投資阻害要因効果を有する特定措置の履行要求の原則禁止(第6条)等を規定)、多くの分野で約束を行ったレベルの高い内容となっている。

(2)この協定において、カンボジアが行った投資の自由化への留保は、他国の例と比べても非常に少なく、この協定の締結により、カンボジアに対する投資の自由化度は、将来にわたって非常に高いものとなる。

3.締結の意義

 本協定により、日・カンボジア両国は、内国民待遇及び最恵国待遇の原則供与並びに特定措置の履行要求の原則禁止を義務付けられることになり、投資家にとって透明性、法的安定性及び予見可能性が増すとの観点から大きな意義を有する。また、我が国の東アジア地域の経済連携強化に向けた取組の一環として、日本とカンボジアとの間の投資を促進し、両国間の経済関係を強化する象徴的な第一歩となる。
 さらに、海外直接投資を誘致する形での経済発展を志向するカンボジアの成長戦略にも貢献しうる。

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