平成19年2月
特に重要な文化財の国際的な管理につき「強化された保護」の制度を定めるとともに、武力紛争の際の文化財の保護に関する条約に違反する一定の行為を締約国が犯罪化すること等を定める。
第二次世界大戦において、大量の文化財が破壊等の被害にあったことを受け、武力紛争の際の文化財保護のための包括的な国際約束として、1954年、「武力紛争の際の文化財保護条約」及び「武力紛争の際の文化財保護議定書」が作成された。その後、各締約国による実行や国際情勢の変化等を踏まえ、1999年、条約を補足するものとして「武力紛争の際の文化財保護第二議定書」が作成された。2007年2月1日時点での締約国は、44か国(2004年3月9日発効。)。G8のうち、カナダが締結済み。
(1)武力紛争の際の文化財の保護に関する条約(以下「ハーグ条約」という。)を補足し、その実効性を高めるため、ハーグ条約に基づき平時及び武力紛争時において締約国が負う義務の内容を更に具体化する。
(2)特に重要な文化財の保護について、ハーグ条約に定められた「特別の保護」を抜本的に改善した「強化された保護」の制度を定める(「特別の保護」の制度において問題となった文化財と軍事目標との間の「十分な距離」の概念を制度適用の要件に含めない等の改善が図られている。)。
(3)ハーグ条約に違反する行為を特定し、締約国がこれらの行為を犯罪化し、一部の犯罪については、外国人の国外犯を含めた裁判権を設定する義務を定める。
本議定書は、ハーグ条約を補足するとともに、特に同条約に定められた「特別の保護」の制度を抜本的に改善した「強化された保護」の制度を定めるものであり、武力紛争の際の文化財保護の分野における国際協力を推進する見地から有意義である。
Adobe Systemsのウェブサイトより、Acrobatで作成されたPDFファイルを読むためのAcrobat Readerを無料でダウンロードすることができます。左記ボタンをクリックして、Adobe Systemsのウェブサイトからご使用のコンピュータのOS用のソフトウェアを入手してください。