条約

「武力紛争の際の文化財の保護に関する条約」について
(略称:武力紛争の際の文化財保護条約)

平成19年2月

 武力紛争の際に文化財を保護するため、締約国が、平時において適当な措置をとること、武力紛争の際に文化財を尊重すること等を定める。

1.背景

 第二次世界大戦において、大量の文化財が破壊等の被害にあったことを受け、武力紛争の際の文化財保護のための包括的な国際約束として、1954年、「武力紛争の際の文化財保護条約」及び「武力紛争の際の文化財保護議定書」が作成された。その後、各締約国による実行や国際情勢の変化等を踏まえ、1999年、条約を補足するものとして「武力紛争の際の文化財保護第二議定書」が作成された。2007年2月1日時点での締約国は、116か国(1956年8月7日発効。我が国は、1954年9月6日に署名。)。G8のうち、フランス、イタリア、ドイツ、カナダ及びロシアが締結済み。近隣国では、中国が締結済み。

2.条約のポイント

(1)武力紛争の際に文化財を保護するため、締約国は平時において適当な措置をとるほか、武力紛争の際に文化財を尊重すること等を定める。

(2)特に重要な限られた数の文化財や文化財の輸送について、国際的な管理(「特別の保護」)の下に置く制度を定める。

(3)武力紛争の際に文化財に付される特殊標章につき規定する。

(4)締約国に対し、条約の違反行為について、自国の通常の刑事管轄権の範囲内で処罰すべき義務を定める。

3.締結の意義

 本条約は、武力紛争の際の文化財保護の分野における基本条約の位置を占めており、先般のイラク戦争での文化財の破壊、略奪等を背景に、その意義が増している。また、1990年代以降急速に締約国が増加しているとともに、2004年の「武力紛争の際の文化財保護第二議定書」の発効を受け、本条約等に対する国際的関心も高まっている。このような状況の中、我が国が本条約を締結することは、武力紛争の際の文化財保護の分野において国際協力を推進する見地から有意義である。

Adobe Acrobat Readerダウンロード Adobe Systemsのウェブサイトより、Acrobatで作成されたPDFファイルを読むためのAcrobat Readerを無料でダウンロードすることができます。左記ボタンをクリックして、Adobe Systemsのウェブサイトからご使用のコンピュータのOS用のソフトウェアを入手してください。

このページのトップへ戻る
前のページへ戻る | 目次へ戻る