平成18年2月
国際海事機関(IMO)の中に、国際海上交通の簡易化のための諸事項を検討するための正式な内部機関として、簡易化委員会(FAL委員会)を設けること等について定める。
(1)国際海事機関(以下「IMO」という。)は、海運に影響するすべての事項に関する国際協力を促進する目的をもって1958年に設立された国際連合の専門機関である。我が国は、1958年に加盟しており、現在、我が国を含め166か国が加盟国となっている。
(2)IMOでは、「国際海上交通簡易化条約」(以下「FAL条約」という。)の改正や国際海上交通の更なる簡易化を議論するため、1972年の理事会決議により理事会の下に簡易化委員会(以下「FAL委員会」という。)が設置されている。しかし、FAL委員会は、IMO条約上の正式な委員会(注)ではないため、専任の事務局スタッフを置けない等の制約があった。このため、1991年11月のIMO総会において、FAL委員会の機能を強化すべく、同委員会をIMO条約上の正式な委員会とするための本件改正が採択された。
(3)2005年にFAL条約を締結した我が国が、本IMO条約改正を締結することは、FAL委員会の機能強化による更なる国際海上交通の簡易化に資するだけでなく、我が国としてFAL委員会での発言力を増し、インターネット技術の発展に伴う電子的な入出港手続の利用の拡大、米国同時多発テロ以降特に重視されているセキュリティの確保と入出港手続の簡易化との調和といった今日的な課題についての議論に積極的に貢献していく観点からも、重要である。
(注)IMO条約上の正式な委員会として、海上安全委員会、法律委員会、海洋環境保護委員会及び技術協力委員会が置かれている。
(1)IMOの正式な内部機関としてFAL委員会を設ける。
(2)FAL委員会への参加資格(IMOの全加盟国で構成)、任務及びIMO理事会との関係等について規定する。
未発効(注)。2006年2月1日現在、締約国は97か国(米、英、ギリシャ、パナマ、中、韓、シンガポール等)。
※G8で締結していないのは、独と我が国のみ
(注)IMO加盟国の3分の2(現時点で111か国)が受諾した後12か月ですべての加盟国について効力が生じることとなっており、未締約国の早期締結が強く求められている。