条約

「マルチチップ集積回路に対する無税待遇の付与に関する協定」について
(略称:マルチチップ集積回路の無税待遇協定)

平成18年2月

 WTOにおける交渉に先駆け、米、EC、韓国及び台湾との間で、マルチチップ集積回路に対する関税を無税にすることについて定める。

1.背景

(1)新しい技術として近年広まってきたマルチチップ集積回路(複数の集積回路をつなげて一体化したもの。携帯電話、デジタルビデオカメラ等に使用。小型・高性能・低コストを実現。)の貿易主要国のうち、欧州共同体、米国、韓国が関税を課している(最大8%)。(日本は無税)

 なお、従来型の単体の集積回路については、主要国は既に無税。

(2)2004年9月、半導体政府当局会合(GAMS(注))を構成する日本、欧州共同体、米国、韓国及び台湾の政府・当局は、マルチチップ集積回路の無税待遇に関する協定について議論を開始。2005年9月に実質合意、11月に採択された。

(3)上記5者が率先して本協定を締結することにより、現在行われているWTO交渉の妥結に先駆け、世界の半導体市場の約7割を占める5者がマルチチップ集積回路を無税化することとなり、ひいては、その他の国に対しても、無税化を働きかける梃子ともなり得る。

Government/Authorities Meeting on Semiconductorsの略)

2.協定のポイント

(1)日本、米国、欧州共同体、韓国及び台湾が、マルチチップ集積回路に対する関税を無税とすることを定める。

(2)本協定により、現在マルチチップ集積回路に関税を課している米国、欧州共同体及び韓国は、マルチチップ集積回路に対する関税等を無税に引き下げる。我が国(及び台湾)は、既にマルチチップ集積回路の無税待遇を実現しているため、これを維持する。

(3)本協定は、他のWTO加盟国に開放される。

(4)WTO交渉においてマルチチップ集積回路の世界貿易の十分な水準をカバーする関税引下げ合意が成立した場合、本協定は終了。

3.締結状況等

 米国、欧州共同体、韓国及び台湾が、2006年早々の発効を目指し、内部手続を進めている。

 ※本協定は、GAMS構成者のうち、4者の受諾により発効する。

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