
「原子力の平和的利用における協力のための日本国政府と
大韓民国政府との間の協定」について
(略称:日・韓原子力協定)
平成23年2月
韓国との間で,原子力の平和的利用に関する協力のための法的枠組みについて定める。
1.背景
- (1)韓国は原子力の平和的利用を積極的に推進し,原子力発電所の増設を進めているところ,今後,同国と我が国との間で原子力関連資機材及び技術の移転が生ずることが予想されたことから,2009年1月の日韓首脳会談において,両首脳は,原子力協定の交渉を開始することで一致した。
- (2)両政府は,この協定について,同年7月に第1回交渉を行って以降,計5回にわたる交渉を行い,その後,外交ルートを通じて調整した結果,2010年10月に実質的な合意に達し,この協定は,同年12月20日に東京において署名された。
2.協定のポイント
我が国と韓国との間で,核物質,原子力関連資機材及び技術を移転するに当たり,以下の諸点を定め,原子力分野の協力を行うための枠組みを設ける。
- (1)核物質,原子力関連資機材及び技術の平和的目的に限った利用
- (2)核物質へのIAEAによる保障措置の適用
- (3)原子力安全関連条約に基づく措置の実施
- (4)核物質を適切に防護する措置の適用
- (5)核物質,原子力関連資機材及び技術の管轄外(第三国)への移転の規制
- (6)この協定の適用を受ける核物質の濃縮(20%以上)・再処理の規制
3.締結の意義
この協定の締結により,我が国と韓国との間で長期間にわたって安定的に核物質,原子力関連資機材及び技術を移転することが可能となり,また,これらの平和的利用が法的に確保されることから,両国間の原子力の平和的利用に関する協力を行う基盤が整備されることになる。