条約

「所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための
日本国とオランダ王国との間の条約」について
(略称:日・蘭租税条約)

平成23年2月

 現行の日・蘭租税条約を全面的に改め、投資所得に対する源泉地国における限度税率を引き下げるとともに、条約の濫用を防止する措置を導入すること等について定める。

租税条約とは、(イ)国境を越える経済活動に対する課税権を調整することにより、国際的な二重課税を回避し、二国間の投資交流を促進すること、(ロ)税務当局間の租税に関する情報交換を推進することにより脱税を防止することを主な目的とする国際約束である。

1.背景

  1. 2004年 6月:政府間交渉開始
  2. 2009年12月:基本合意
  3. 2010年 8月:武正外務副大臣とドゥ・へーア在京オランダ大使により署名

2.条約のポイント

  1. (1) 投資所得に対する源泉地国課税の軽減

    投資交流を促進するため、投資所得(配当、利子、使用料等)に対する投資先の国における課税を更に減免する。

  2. (2) 条約の濫用を防止する措置の導入

    条約の特典の濫用を防止するため、条約の特典を享受できる者を一定の要件を満たす適格者等に限定する。

  3. (3) 税務当局間の協議に係る仲裁手続の導入

    両国間で生じた課税に関する問題を、税務当局間でより円滑かつ確実に解決することができるよう、税務当局間の協議(相互協議)に係る仲裁手続を導入する。

3.締結の意義

 この条約の締結により、脱税及び租税回避行為を防止しつつ、投資所得に対する投資先の国における課税が一層軽減されることにより、我が国とオランダとの間の人的交流及び経済的交流がより一層促進されることが期待される。

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第177回国会(平成23年常会)提出条約 | 目次へ戻る