条約

「所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とスイスとの間の
条約を改正する議定書」について
(略称:日・スイス租税条約改正議定書)

平成23年2月

 現行の日・スイス租税条約を改め、投資所得に対する源泉地国における限度税率を引き下げるとともに、税務当局間の租税に関する情報交換の枠組みを創設すること等について定める。

租税条約とは、(イ)国境を越える経済活動に対する課税権を調整することにより、国際的な二重課税を回避し、二国間の投資交流を促進すること、(ロ)税務当局間の租税に関する情報交換を推進することにより脱税を防止することを主な目的とする国際約束である。

1.背景

  1. 2008年11月:政府間交渉開始
  2. 2009年 6月:基本合意
  3. 2010年 5月:在スイス小松大使とメルツ財務大臣により署名

2.改正議定書のポイント

  1. (1) 投資所得に対する源泉地国課税の軽減

    投資交流を促進するため、投資所得(配当、利子、使用料等)に対する投資先の国における課税を更に減免する。

  2. (2) 条約の濫用を防止する措置の導入

    条約の特典の濫用を防止するため、条約の特典を享受できる者を一定の要件を満たす適格者等に限定する。

  3. (3) 税務当局間の租税に関する情報交換の枠組みの導入

    国際標準であるOECDモデル租税条約に沿った税務当局間の実効的な情報の交換を可能とすることを規定する。

3.締結の意義

 この改正議定書の締結により、投資所得に対する投資先の国における課税が一層軽減されるとともに、租税に関する情報交換が行われることになり、我が国とスイスとの間の人的交流及び経済的交流の促進並びに国際的な脱税及び租税回避行為の防止に資することが期待される。

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第177回国会(平成23年常会)提出条約 | 目次へ戻る