条約

「刑を言い渡された者の移送及び刑の執行における協力に関する
日本国とタイ王国との間の条約」について
(略称:日・タイ受刑者移送条約)

平成22年3月

 タイとの間で、受刑者移送のための要件、手続き等について定める。

1.背景

(1) 我が国とタイとの間で受刑者の移送を実施するため(注1)、我が国にとって初めての二国間の受刑者移送条約となる本条約の作成・締結に向け、2007年11月の第1回交渉以降計3回の交渉を重ねた結果、2008年10月に実質的な合意に達し、2009年7月22日にタイ・プーケットにてこの条約の署名を行った。

(2) 日・タイ間では緊密な人の往来があることから、相手国で刑罰を科される自国民受刑者の移送における協力関係を構築することが重要であり、この条約を早期に締結する必要がある。

(注1) 我が国は、「刑を言い渡された者の移送に関する条約(CE条約、欧州評議会作成)」に加入した(2003年)ことにより、同条約の締約国(我が国を含め64か国)との間では、一定の要件の下で外国人受刑者の母国への移送を実施することが可能であるが、タイは同条約に加入しない方針をとっているため、タイとの間で二国間の受刑者移送条約を作成・締結することとしたもの。

(注2) 我が国におけるタイ人受刑者は82名(2009年10月現在)、タイにおける日本人受刑者は14名(2009年12月現在)。

2.条約のポイント

(1) この条約は、我が国とタイの間で、相手国で服役中の自国民受刑者に母国において刑に服する機会を与えるため、一定の条件を満たす場合に受刑者をその本国に移送する手続等を定めるものである。

(2) 主たる内容

3.締結の意義

 この条約を締結することで、両国の受刑者に母国において刑に服する機会を与えることになり、これら受刑者の社会復帰の促進に寄与することにつながる。

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