平成21年2月
イタリアとの間で、年金制度及び雇用保険制度への加入に関する法令の適用調整について定める。
*社会保障協定とは、二国間の公的年金制度等に関する適用調整等を行い、企業、個人の負担を軽減し、人的交流及び経済交流を促進することを目的とした協定である。
2008年5月以来、2回の交渉を経て、同年11月に大筋合意に至り、2009年2月6日にローマにて署名が行われた。
(1)年金制度については、就労地国の年金制度にのみ強制加入することを原則とする。ただし、派遣期間が5年以内の一時派遣駐在員等については、派遣元国の年金制度にのみ強制加入することとする。
(2)雇用保険制度については、派遣期間が5年以内の一時派遣駐在員等について、派遣元国の雇用保険制度のみに強制加入することとする。
(1)日・イタリア間においては、企業等から相手国に一時派遣される被用者等について、両国の年金制度及び雇用保険制度への強制加入による二重加入の問題がある(注)。この問題は、企業及び個人の双方にとって大きな負担となっている。
(2)イタリアに在留する民間企業関係者及び進出日系企業は、それぞれ1212名、304社に上っており(平成19年10月現在の外務省調査)、イタリアと社会保障協定を締結することによる裨益効果は大きい。
(3)この協定の締結によって、企業及び個人の社会保険料負担が軽減され、日・イタリア間の人的交流及び経済交流が一層促進されることが期待される。
(注):日本人を含むEU域外の国民は、イタリアの年金の最低加入期間を満たしていない場合でも、65歳以降にそれまで納付した年金保険料に応じた額の年金を受給できるため、いわゆる「保険料の掛け捨て」の問題は生じない。