条約

「クラスター弾に関する条約」について

平成21年3月

 クラスター弾の使用、生産等の禁止、貯蔵されたクラスター弾の廃棄等について定める。

1.背景

 クラスター弾とは、一般に、内蔵する子弾を空中で広範囲に散布し、又は投下するように設計された通常弾をいう。イラク、コソボ、アフガニスタン、レバノン等で使用されたクラスター弾及びその不発弾が文民に大きな被害を与えてきたことから、その問題への対応について議論されてきた。2007年2月に本条約作成に向けたプロセス(いわゆる「オスロ・プロセス」)が開始され、2008年5月に開催されたダブリン会議(アイルランド)において採択され、同年12月にオスロ(ノルウェー)にて署名式が開催された。

2.条約のポイント

(1)締約国は、クラスター弾の使用、開発、生産、取得、貯蔵、保有及び移譲並びにこれらの活動を行うことについて援助、奨励及び勧誘を行わないことを約束する。

(2)締約国は、貯蔵されているクラスター弾につき、条約が自国について発効した後原則として8年以内に廃棄する。

(3)締約国は、クラスター弾残存物(不発の子弾等)につき、条約が自国について発効した後原則として10年以内に除去し、及び廃棄する。

(4)援助を提供することのできる締約国は、クラスター弾によって影響を受けた締約国に対し、技術的、物的及び財政的援助を提供する。

(5)締約国等は、締約国に対して禁止されている活動を行うことのある非締約国との間で一定の軍事的な協力及び軍事行動を行うことができる。

3.締結の意義

 我が国は、従来から、クラスター弾がもたらす人道上の懸念を深刻に受け止め、これに対処することを目的とする実効性のある国際約束を作成することにも積極的に関与してきた。我が国が本条約を可能な限り早期に締結することは、クラスター弾がもたらす人道上の懸念への対応に向けた国際協力を促進するとの見地から重要な意義を有する。

4.締結状況等

 我が国は、2008年12月に開催された本条約の署名式に中曽根外務大臣が出席して署名。2009年2月現在、署名国は95か国、締約国は4か国(G8のうち、日、加、仏、独、伊、英は署名済み。他方、クラスター弾の主要な生産・保有国に含まれる米、露、中、韓等は未署名。)。

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