安全保障理事会は、
従前の決議、特に、1999年10月15日の決議第1267号(1999)及びアフガニスタンの状況についての同理事会議長声明を再確認し、
同理事会が、アフガニスタンの主権、独立、領土保全及び国内の統一に深く関与すること並びにアフガニスタンの文化的及び歴史的遺産を尊重することを再確認し、
アフガニスタン国民の重大な人道上の必要性を認識し、
広範な基盤を有し、多民族から成り、また、完全な代表性を有する政府の設立を目的としたアフガニスタンの当事者間の政治対話を通じて、和平プロセスを促進するためのアフガニスタン担当事務総長個人代表の努力を支持し、また、戦闘中の各派に対し、自らが約束した対話の過程において速やかに前進することにより停戦を締結し、かつ、政治的解決を目指す討議を開始するための努力に完全に協力することを求め、
アフガニスタンの情勢が、和平プロセス並びに麻薬取引、テロリズム、人権及び国際人道開発援助の問題に対する包括的かつ統合的な取組み方法を必要とする複雑なものであることを強調したアフガニスタン支援作業部会の2000年12月会合に留意し、
関連する国際テロリズム防止条約及び、特に、これらの条約の締約国が負うテロリストを引き渡し又は訴追する義務を想起し、
タリバーンとして知られ、自らをアフガニスタン・イスラム首長国と呼ぶアフガンの一派(以下「タリバーン」という。)が支配するアフガニスタンの領域が、テロリストの隠匿、訓練及びテロリストの活動の計画のために引き続き使用されていることを強く非難し、また、国際テロリズムの抑止が、国際の平和及び安全の維持に不可欠であるとの確信を再確認し、
タリバーンが、1961年の麻薬に関する単一条約、1971年の向精神薬に関する条約、1988年の麻薬及び向精神薬の不正取引の防止に関する国際連合条約及び1998年の麻薬に関する国際連合総会の第20回特別会期の約束(国際連合薬物統制計画と密接に活動することを含む。)に従い行動することの重要性に留意し、
タリバーンが、あへんの製造に税を課すことにより不法なあへんの栽培から直接に利益を受けていること並びにそのようなあへんの加工及び取引から間接に利益を受けていることに留意し、それらの実質的な資金が、テロリストをかくまうタリバーンの能力を強化していることを認識し、
タリバーンが、オサマ・ビン・ラーデンに対して安全な避難所を提供し、同人及びその関係者が、タリバーンが支配する地域からテロリスト訓練所のネットワークを管理し、及び国際的なテロ活動を支援する拠点としてアフガニスタンを利用することを容認している事実を遺憾とし、
アメリカ合衆国が、オサマ・ビン・ラーデン及びその関係者を、特に、1998年8月7日にケニアのナイロビ及びタンザニアのダルエスサラームにおいてアメリカ合衆国大使館を爆破したこと並びに同国外にいる同国国民を殺害するとの謀議を行ったことで起訴したことに留意し、また、同国が、タリバーンに対し、裁判のために同人及びその関係者を引き渡すよう要請していることに留意し、
継続している国際人道法違反及び人権侵害、特に、女子に対する差別並びにあへんの不法な製造の著しい増加に対する深い懸念を再確認し、
タリバーンがマザリ・シャリフにおいてイラン・イスラム共和国の総領事館を占拠するとともにイランの外交官及び記者を殺害したことが、確立した国際法のはなはだしい違反を構成することを強調し、
タリバーンの当局が決議第1214号(1998)の13及び決議第1267号(1999)の2の規定の要求に応じていないことが、国際の平和及び安全に対する脅威を構成することを決定し、
これらの決議を尊重することを確保するとの決意を強調し、
制裁が、アフガニスタン国民への人道的影響を避けるために、適切かつ効果的な免除を含むことが必要であること及び同国内の文民たる住民に人道的援助を提供する国際人道援助機関又は政府救援機関の作業を阻害、妨害又は遅延させることがないよう構成されていることを再確認し、
アフガニスタンのタリバーンの支配の下にある地域の住民の福祉に対するタリバーンの責任を強調し、この文脈で、タリバーンに対し、その支配の下にある領域において救援機関職員及び援助が、それらを必要としているすべての住民に完全かつ妨げられずに開放されることを確保するよう求め、1994年12月9日の国際連合総会決議49/59において同総会により採択された国際連合要員及び関連要員の安全に関する条約に定める関連原則を想起し、
国際連合憲章第7章の下に行動して、
(a)決議第1267号(1999)により設立された委員会(以下委員会)により指定されるタリバーンの支配の下にあるアフガニスタンの領域に対し、自国民による若しくは自国領域からの又は自国旗船若しくは自国に登録された航空機の使用によるすべての種類の武器及び関連物資(武器及び弾薬、軍用の車両及び装備、準軍用装備並びにこれらの予備部品を含む。)の直接又は間接の供給、販売及び移転を防止すること。
(b)委員会により指定される タリバーンの支配の下にあるアフガニスタンの領域に対し、自国民によって又は自国の領域から、タリバーンの支配の下にある武装要員の軍事活動に関連する技術的助言、支援及び訓練の直接又は間接の販売、供給及び移転を防止すること。
(c)タリバーンに軍事又は関連する安全保障問題に関し助言を行うため契約又はその他の取決めにより雇用され、アフガニスタンに存在する自国のすべての公務員、代理人、顧問及び軍事要員を撤退し、その文脈で、その他の自国民に対し同国を出国するよう促すこと。
(a)自国の領域におけるすべてのタリバーン事務所を速やかかつ完全に閉鎖すること。
(b)自国の領域におけるすべてのアリアナ・アフガン航空の事務所を速やかに閉鎖すること。
(c)オサマ・ビン・ラーデン並びに委員会により指定される同人と関係を有する個人及び団体の資金並びにその他の財政的資源(アル・カイダ組織におけるものを含む。また、オサマ・ビン・ラーデン並びに同人と関係を有する個人及び団体により直接に又は間接に所有され又は管理される資産から生ずる資金を含む。)を遅滞なく凍結し、それらの資金及び財政的資源並びにその他の資金及び財政的資源が、自国民又は自国領域内の者によってオサマ・ビン・ラーデン、関係する者及び団体、オサマ・ビン・ラーデン又は同人と関係を有する個人若しくは団体により直接又は間接に所有又は管理される団体(アル・カイダ組織を含む。)の利益のために、直接又は間接に利用可能となることのないよう確保すること。また、同理事会は、委員会に対し、各国及び地域機関により提供される情報に基づき、オサマ・ビン・ラーデンと関係を有するとして指定される個人及び団体(アル・カイダ組織に属するものを含む。)の最新の一覧表を保全するよう要請する。
(a)3及び5の規定において要求されている武器禁輸措置及びテロリスト訓練野営地の閉鎖を監視し得る方法(特に、加盟国により独自の手段を通じ入手され、事務総長に提供された情報の利用を含む。)に関しこの決議の採択の日から60日以内に同理事会に対し勧告を行うため、専門家の委員会を任命すること。
(b)この決議及び決議第1267号(1999)によって課せられた措置を発効させるため関係加盟国と協議し、その協議の結果を同理事会に報告すること。
(c)既存の措置の実施について報告し、当該措置の執行における問題を評価し、執行の強化のための勧告を行い、及びその遵守に向けたタリバーンの行動を評価すること。
(d)この決議及び決議第1267号(1999)によって課せられた措置の人道的影響を検討し、この決議の採択の日から90日以内にその評価及び勧告とともに同理事会に対し報告すること、また、その後あらゆる人道的影響について定期的に報告し、当該措置の終了の30日前にこの問題に関する包括的な報告及びあらゆる勧告を提出すること。
(a)各国、地域機関及び国際機関により提供された情報に基づき、タリバーンの支配の下にあるアフガニスタンの領域における航空機の入域及び着陸地点の最新の一覧表を作成し、保全すること。また、そのような一覧表の内容を加盟国に通知すること。
(b)各国、地域機関及び国際機関により提供された情報に基づき、8(c)の規定に従い、オサマ・ビン・ラーデンと関係を有するとして指定される個人及び団体の最新の一覧表を作成し保全すること。
(c)6及び11の規定に定める例外についての要請を検討し、決定すること。
(d)12の規定に従い、アフガニスタンに人道的援助を提供するものとして承認された組織及び政府救援機関の最新の一覧表をこの決議の採択から一箇月以内に作成し保全すること。
(e)これらの措置の実施に関する関連情報を適切な方法(進歩した情報技術を通じての方法を含む。)を通じて公に入手可能にすること。
(f)各国が、関連する決議を遵守するよう促すため適当な場合には、この決議及び決議第1267号(1999)により課せられる措置の完全かつ効果的な実施を強化するため必要な地域に所在する国への委員会議長及びその他の委員による訪問を検討すること。
(g)委員会に提出されたこの決議及び決議第1267号(1999)に関する情報(委員会に報告された措置違反及びこれらの措置の実効性を強化するための勧告を含む。)につき、同理事会に対し定期的に報告すること。