2011年1月13日
(英語版はこちら)
2011年1月13日、東京において、日米両政府は、全世界的衛星測位システム(GPS)及びその補強システム(運輸多目的衛星(MTSAT)用衛星航法補強システム(MSAS)及び準天頂衛星システム(QZSS)を含む。)の民生利用に関する協力について検討及び議論を行うことを目的として全体会合を開催した。GPS協議は、1998年9月22日に当時の両国首脳により署名された「全世界的衛星測位システムの利用における日米協力に関する共同声明」に従って定期的に開催されている。
今次会合の中で米国の代表団は、広域補強システム(WAAS)及びGPSの近代化の現況並びにGPSに関する米国の第三国との国際協力について説明した。日本の代表団は、MSAS及びQZSSの計画の現況並びに全地球的衛星航法システム(GNSS)に関する日本の国際的な協力活動について報告した。両政府は、平和目的のための基本的な宇宙ベース測位、航法及びタイミング(PNT)サービスの開かれた利用を、利用者へ直接課金することなく提供することの重要性を再確認した。両政府は、GPS及びその補強システムが、日米両国及び世界の現代生活にとって不可欠なものとなり、航空及び海事における生命の安全、測地測量、カーナビゲーション、パーソナルナビゲーション、携帯電話システムの時刻管理、国際金融取引及び送電のような広範なアプリケーションにおいて極めて重要なサービスを提供し、能力を向上させていることを強調した。
両政府の代表団は、QZSSの開発中に緊密な協力を行うために設立された日米GPS/QZSS技術作業部会(TWG)において現在行われている作業について概観した。TWGは、GPS及びQZSSが共存性及び高度の相互運用性をもって設計されていることを再確認した。両政府は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)及び米国海洋大気庁(NOAA)がグアム島のNOAA施設に設置したQZSSモニタ局の運用を開始したことにつき満足の意をもって留意した。また、JAXA及び米航空宇宙局(NASA)間において、情報通信研究機構(NICT)及び米国海軍天文台(USNO)の支援によりハワイのNASA施設へのQZSSモニタ局及び衛星双方向時刻比較局の設置に向けた取組みがまもなく完了する見込みであることに留意した。両政府は、GNSSに利用される周波数の保護に関する協力を継続する意志を有し、また、すべての既存の及び計画されたGNSSとGPS及びQZSSとの相互運用性及び共存性を追求することの重要性を再確認した。
第8回全体会合は日米両国の協力関係を強固なものとした。両政府は、日本のPNTサービスに対するQZSSの重要な将来の貢献について認識した。両政府は、衛星航法システム分野における継続的で緊密な協力が、アジア-太平洋地域の平和的発展に資すること及び世界的な経済成長を促進させることを確認した。この点に関し、両政府は、2011年9月5日から9日まで、東京においてGNSSに関する国際委員会の第6回会合(ICG-6)が、また、2011年度において第3回GNSSアジア・オセアニア地域ワークショップが開催されることを歓迎した。