2008年11月10日、日米両政府は、東京において全世界的衛星測位システム(GPS)及びその補強システム(運輸多目的衛星(MTSAT)用衛星航法補強システム(MSAS)及び準天頂衛星システム(QZSS)を含む。)の民生利用に関する重要事項について検討及び議論を行うことを目的に全体会合を開催した。本協議は、1998年9月22日に当時の両国首脳により発出された「全世界的衛星測位システムの利用における共同声明」に従って定期的に開催されている。
今次会合の中で米国の代表団は、米国宇宙ベース測位、航法及びタイミング(PNT)政策実施の最新情報を提供した。また、米国の代表団は、GPSの近代化の現況及び第3国との米国の国際協力について説明した。日本の代表団は、宇宙開発利用に関する施策を総合的かつ計画的に推進する宇宙基本法が新たに成立し、本年8月に施行されたことについて報告した。また、日本の代表団は、地理空間情報活用推進基本法に従って地理空間情報活用推進基本計画が本年4月に閣議決定され、本年8月には「地理空間情報の活用推進に関する行動計画(G空間行動プラン)」が制定されたことを報告した。両政府は、平和目的のための宇宙ベースPNTサービスの開かれた利用を、利用者へ直接課金することなく提供することの重要性を再確認した。
両政府の代表団は、QZSSの開発中に緊密な協力を行うために設立された日米GPS/QZSS技術作業部会(TWG)において現在行われている作業について概観した。TWGは、GPS及びQZSSが相互運用性及び共存性を持って設計されていることを再確認した。両政府は、周波数の保護及び共通の民生用信号の標準化の推進に関する協力を継続する意志を有している。両政府は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)及び米国海洋大気庁(NOAA)間において、グアム島のNOAA施設へのQZSSモニタ局の設置及びQZSSモニタ局データの共有について現在の協力が進行していることを満足の意をもって留意した。同様に、JAXA及び米航空宇宙局(NASA)間において、情報通信研究機構(NICT)及び米国海軍天文台(USNO)の支援によりハワイ島のNASA施設へのQZSSモニタ局及び衛星双方向時刻比較の設置のための取組みがなされている。
第6回全体会合は日米両国の協力関係を強めた。両政府は、日本のPNTサービスに対するQZSSの重要な潜在的貢献について認識した。両政府は、衛星航行分野における引き続きで緊密な協力が、アジア-太平洋地域の平和的発展に資すること及び世界的な経済成長を促進させるであろうということを確認した。