
不拡散に関する首脳声明(仮訳〔骨子〕)
1.総論
- 大量破壊兵器及びその運搬手段の拡散は国際の平和と安全に対する顕著な脅威と認識。
- 拡散に立ち向かう我々の努力の不可欠な要素として、軍備管理、軍縮及び不拡散の義務とコミットメントを果たす。
- 核兵器不拡散条約、化学兵器禁止条約、生物・毒素兵器禁止条約等に未加入のすべての国に対し、遅滞なくそれらに加入することを求める。
2.NPT
- NPTの「3本柱」(軍縮、不拡散、原子力の平和的利用)へのコミットメントを再確認。IAEA追加議定書の普遍化の呼びかけ。
3.原子力の平和的利用
- 露の核燃料サイクル・センター構想、米国のGNEP構想、核燃料供給保証に関する6カ国提案を評価。
4.インド
- 不拡散体制を強化する形で、インドへの原子力協力に向けた更に前向きなアプローチを円滑にするためにも、インドが不拡散体制の強化に向けた更なるステップをとることを慫慂。
5.イラン
- イランの核計画が進展したことによる拡散上の影響を引き続き深刻に懸念。
- イランは、IAEAに要求され、国連安保理議長声明で支持された、交渉を開始させるために必要なステップ、特にすべての濃縮関連及び再処理活動の停止、をとってこなかった。そこで6カ国(中、仏、独、露、英、米)の外務大臣は本件を国連安保理に戻すことを決定した。G8は右決定を完全に支持。
- 包括的提案にイランが前向きに対応するように求める7月12日のパリにおける声明をG8も支持。
6.北朝鮮
- 全会一致で採択された国際社会全体の明確かつ力強い意志を示す国連安保理決議1695を歓迎。
- 北朝鮮の複数の弾道ミサイル発射を非難し、ミサイル発射が地域内外の平和、安定及び安全を危うくすることに深刻な懸念を表明。また、北朝鮮のあり得べき追加的なミサイル発射の兆候に重大な懸念を表明。
- 北朝鮮に対し、既存のミサイル発射モラトリアムのコミットメントを再確認し、ミサイル拡散に寄与することを控えるよう求める。
- 安保理決議1695に従って、北朝鮮のミサイル及び大量破壊兵器計画へのあらゆる対外協力を防ぐよう監視する。
- 北朝鮮のミサイル発射は北朝鮮の核兵器計画に対する深い懸念を強める。
- 北朝鮮の6者会合への早期かつ無条件の交渉復帰を求める。
- 北朝鮮に全ての核兵器及び既存の核計画を廃棄し、第4回六者会合共同声明に基づき、懸案事項の解決に協力することを求める。
その他、生物兵器及び化学兵器禁止条約、核燃料サイクルの機微技術の移転に関するモラトリアムの継続、安保理決議1540、PSI、G8グローバル・パートナーシップ等も言及されている。